ミニチュアゲーム『フロストグレイブ』からミニチュアゲームを始める連載企画の第5弾。
前回は、筆塗りでミニチュアを塗装する方法を、今回は前回作ったミニチュアにちょっとした一手間を加えて、より見栄えをよくする方法をご紹介いたします。
今回も過去の記事をの内容を踏まえて説明していきますので、まだ未読の方は一度読んでから先をお読みください。
組み立て方その1組み立て方その2
塗装法その1塗装法その2
◆簡単なベースデコレート
まず、ミニチュアのベース(台座)をかっこ良くする方法をご紹介いたします。台座を装飾するベースデコレートは一手間でできる非常にシンプルなものもあれば、時間かけて作る小さなジオラマ風のものなどやり方は様々。
一番簡単なものは黒や緑などの単色でベースを塗るという方法もありますが、今回はそれと同じくらいの手間で、立体感を出してリアルに見せることができる塗料『情景テクスチャーペイント』をご紹介いたします。
『情景テクスチャーペイント』は、砂(粒子)が混ざっている泥状の水性アクリル塗料で、塗って乾かすだけで、本物の土のような雰囲気を出すことができるというもの。模型メーカーのタミヤの製品で、模型等を扱うお店で定価800円で売られています。
土や草、砂、雪だけでなく、アスファルトっぽい路面が再現できるものなど種類が豊富。今回はベーシックな「ダークアース」を使ってみます。
前回紹介した水性アクリル塗料と同様、有機溶剤等は入っていないので刺激臭もなく、換気が厳しい環境でも使用可能。
泥状ではあるものの、使用方法も水性アクリル塗料と非常に似ています。まず小さめのヘラ(自分は前回紹介した調色スティックを使っています)等を使ってアルミホイルに出し、そこから、ヘラ(調色スティック)や使い古した筆などを使って、ミニチュア自体につかないように気をつけながら、ベースに塗るだけ。
泥が固くて塗りづらい時は、少し水を加えて、使いやすい程度に緩くして塗るとよいでしょう。
一通り塗って乾く前に、ヘラや筆を使って上から軽く押すと表面にデコボコを作って荒れた大地の雰囲気を出すこともできます。どれくらい荒くするかはお好みで。
また、ミニチュアについてしまった場合、すぐであれば水につけた筆で撫でれば落とすことができます。乾いてしまった場合でも、砂はヘラ等でこすれば落ちますし、上から色を塗り直すこともできます。ちょっと足についていたりしたものは、リアルさを出すための汚し表現ということにして気にしないというのも手ですね。
水を混ぜた量や塗った量にもよりますが、完全に乾くのには数時間かかります。はみ出てしまって目立つところは、完全に乾いた後であれば、デザインナイフで切ることも出来ます。切った跡が白くなってしまった場合は水で薄めたテクスチャーペイントを上から塗るとよいでしょう。
『フロストグレイブ』の設定に合わせ、雪原風にするのであれば、一度土系のテクスチャーペイントで下地を作り、完全に乾かした後で、その上から雪を塗るとよいでしょう。
最後に、ベースの縁を好きな色で塗れば終わり。黒か、土系の色が一般的ですがお好みで。今回はレザーブラウンを使いました。
◆簡単なハイライト
次に出っ張ったところに明るい色を塗ることで陰影が強調され、立体感を出すことができるハイライトという塗り方をご紹介します。ハイライトは何段階かにわけて行うことで、より立体的で鮮やかな印象をあたえることができますが、今回は一番簡単な第一歩だけを説明しておきます。
ます、インクが乾いた後、ベタ塗りで使ったのと同じ色で出っ張っているところを塗ります。イメージとしては、広い部分は溝を残しながら全体の6~8割位、細い・小さい部分は縁だけを塗るような感じ。
塗る面積を多くすれば多くするほど影が消え、鮮やかになるので少しづつ様子をみながら、好みのところでやめましょう。近くで見る分には、インクで暗くするとカッコイイのですが、ちょっと明るすぎるくらいのほうが盤上では目立ちます。この辺は好みが分かれるところ。
筆はあれば細いものがあるといいですが、前回紹介したキャラクターブラシであれば、そのまま使えるはず。間違えたら、その部分だけをインクからやり直せばOKです。また、塗料は少し水を加えてゆるくしたほうが塗りやすいかも。
◆完成
超簡単なハイライトとベースデコレートを行った状態がこちら。例として、全体の8割くらいを同色で塗っているので、ごろつきのおじさんにしては小奇麗になりすぎてしまったかもしれません。
ハイライトを入れる部分と入れない部分(今回はブーツの上の部分)を分けると、同じ色を使っていても違う素材に見えるので、持っている色数が少ない時は、このように塗り分けるというのも一つの手です。
私が普段ミニチュアを塗るときは、『フロストグレイブ』程度の数であれば、もう少し明るい色で更にハイライトを入れていくのですが、大量にミニチュアを並べるゲームではこの程度でとどめています。ゲームの中心となるキャラクターには、目立つように明るめにハイライトを入れたるなるかも……というわけで、複数回のハイライトの入れ方は改めて別の機会にご紹介いたします。
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
今回の記事で使用した、『フロストグレイブ』用のごろつきのミニチュアは公式ストア及び全国の取扱店で販売中です。
また、「アーミーペインター」の『ウォーペイント』は、全国の取扱店にて販売中。取扱店のリストはこちら。最近「アーミーペインター」の公式カタログも公開されたので合わせてチェックしてみてください。
『フロストグレイブ 基本ルールブック日本語版』は公式ストア、及び全国の取扱店で販売中。ルールブックはアマゾンでも販売中。
次回以降、複数回のハイライトや、ドライブラシといった塗装テクニックや、ベースデコレートにもう少し手間を掛ける方法などを不定期でご紹介していく予定です。
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。
Twitter:@Sir_Motor
前回は、筆塗りでミニチュアを塗装する方法を、今回は前回作ったミニチュアにちょっとした一手間を加えて、より見栄えをよくする方法をご紹介いたします。
今回も過去の記事をの内容を踏まえて説明していきますので、まだ未読の方は一度読んでから先をお読みください。
組み立て方その1組み立て方その2
塗装法その1塗装法その2
◆簡単なベースデコレート
まず、ミニチュアのベース(台座)をかっこ良くする方法をご紹介いたします。台座を装飾するベースデコレートは一手間でできる非常にシンプルなものもあれば、時間かけて作る小さなジオラマ風のものなどやり方は様々。
一番簡単なものは黒や緑などの単色でベースを塗るという方法もありますが、今回はそれと同じくらいの手間で、立体感を出してリアルに見せることができる塗料『情景テクスチャーペイント』をご紹介いたします。
『情景テクスチャーペイント』は、砂(粒子)が混ざっている泥状の水性アクリル塗料で、塗って乾かすだけで、本物の土のような雰囲気を出すことができるというもの。模型メーカーのタミヤの製品で、模型等を扱うお店で定価800円で売られています。
土や草、砂、雪だけでなく、アスファルトっぽい路面が再現できるものなど種類が豊富。今回はベーシックな「ダークアース」を使ってみます。
前回紹介した水性アクリル塗料と同様、有機溶剤等は入っていないので刺激臭もなく、換気が厳しい環境でも使用可能。
泥状ではあるものの、使用方法も水性アクリル塗料と非常に似ています。まず小さめのヘラ(自分は前回紹介した調色スティックを使っています)等を使ってアルミホイルに出し、そこから、ヘラ(調色スティック)や使い古した筆などを使って、ミニチュア自体につかないように気をつけながら、ベースに塗るだけ。
泥が固くて塗りづらい時は、少し水を加えて、使いやすい程度に緩くして塗るとよいでしょう。
一通り塗って乾く前に、ヘラや筆を使って上から軽く押すと表面にデコボコを作って荒れた大地の雰囲気を出すこともできます。どれくらい荒くするかはお好みで。
また、ミニチュアについてしまった場合、すぐであれば水につけた筆で撫でれば落とすことができます。乾いてしまった場合でも、砂はヘラ等でこすれば落ちますし、上から色を塗り直すこともできます。ちょっと足についていたりしたものは、リアルさを出すための汚し表現ということにして気にしないというのも手ですね。
水を混ぜた量や塗った量にもよりますが、完全に乾くのには数時間かかります。はみ出てしまって目立つところは、完全に乾いた後であれば、デザインナイフで切ることも出来ます。切った跡が白くなってしまった場合は水で薄めたテクスチャーペイントを上から塗るとよいでしょう。
『フロストグレイブ』の設定に合わせ、雪原風にするのであれば、一度土系のテクスチャーペイントで下地を作り、完全に乾かした後で、その上から雪を塗るとよいでしょう。
最後に、ベースの縁を好きな色で塗れば終わり。黒か、土系の色が一般的ですがお好みで。今回はレザーブラウンを使いました。
◆簡単なハイライト
次に出っ張ったところに明るい色を塗ることで陰影が強調され、立体感を出すことができるハイライトという塗り方をご紹介します。ハイライトは何段階かにわけて行うことで、より立体的で鮮やかな印象をあたえることができますが、今回は一番簡単な第一歩だけを説明しておきます。
ます、インクが乾いた後、ベタ塗りで使ったのと同じ色で出っ張っているところを塗ります。イメージとしては、広い部分は溝を残しながら全体の6~8割位、細い・小さい部分は縁だけを塗るような感じ。
塗る面積を多くすれば多くするほど影が消え、鮮やかになるので少しづつ様子をみながら、好みのところでやめましょう。近くで見る分には、インクで暗くするとカッコイイのですが、ちょっと明るすぎるくらいのほうが盤上では目立ちます。この辺は好みが分かれるところ。
筆はあれば細いものがあるといいですが、前回紹介したキャラクターブラシであれば、そのまま使えるはず。間違えたら、その部分だけをインクからやり直せばOKです。また、塗料は少し水を加えてゆるくしたほうが塗りやすいかも。
◆完成
超簡単なハイライトとベースデコレートを行った状態がこちら。例として、全体の8割くらいを同色で塗っているので、ごろつきのおじさんにしては小奇麗になりすぎてしまったかもしれません。
ハイライトを入れる部分と入れない部分(今回はブーツの上の部分)を分けると、同じ色を使っていても違う素材に見えるので、持っている色数が少ない時は、このように塗り分けるというのも一つの手です。
私が普段ミニチュアを塗るときは、『フロストグレイブ』程度の数であれば、もう少し明るい色で更にハイライトを入れていくのですが、大量にミニチュアを並べるゲームではこの程度でとどめています。ゲームの中心となるキャラクターには、目立つように明るめにハイライトを入れたるなるかも……というわけで、複数回のハイライトの入れ方は改めて別の機会にご紹介いたします。
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今回の記事で使用した、『フロストグレイブ』用のごろつきのミニチュアは公式ストア及び全国の取扱店で販売中です。
また、「アーミーペインター」の『ウォーペイント』は、全国の取扱店にて販売中。取扱店のリストはこちら。最近「アーミーペインター」の公式カタログも公開されたので合わせてチェックしてみてください。
『フロストグレイブ 基本ルールブック日本語版』は公式ストア、及び全国の取扱店で販売中。ルールブックはアマゾンでも販売中。
次回以降、複数回のハイライトや、ドライブラシといった塗装テクニックや、ベースデコレートにもう少し手間を掛ける方法などを不定期でご紹介していく予定です。
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。
最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。先日『フロストグレイブ』のプレイ風景も配信しましたので是非チェックしてみてくださいね!
Twitter:@Sir_Motor
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