アイドルグループHKT48の指原莉乃さんが、「ICL(Implantable Contact Lens)」と呼ばれる視力を矯正する手術を受けたことを明かした。

これに対し、ネット上では「レーシックとは違うの?」「安全なの?」といった疑問の声が上がった。

ICLとは、いったいどんなものなのだろうか。

「ドライアイ、ひどい充血が全くなくなった」

2018年3月7日、指原さんはツイッターでICLの手術を受けたことを報告した。

「朝起きた瞬間から目が見えて、朝甘えてくる飼い猫の姿を見たときに泣きそうになりました」

さらには、コンタクトレンズを使用していた時にあった「ドライアイ、ひどい充血が全くなくなった」という。

ICLとは、「眼内コンタクトレンズ」を意味する。目の内に小さなレンズを入れることで視力を矯正する治療法で、近年注目されている。

同じく視力を矯正する手術の一つである「レーシック」と比較されることも多いが、別物だ。

高度な技術要する手術、両眼で60~70万

目の内にレンズを入れるICLに対して、レーシックの場合は、外から目に入った光線を屈曲させる機能を持つ「角膜」を削り、屈折力を調整することで視力を矯正する治療法だ。サッカーの本田圭佑さんや、元メジャーリーガーの黒田博樹さんなど、スポーツ選手に手術を受けた人が多い。

ICLとレーシックはいずれも「保険外診療」のため、治療費・手術費はやや高額だ。複数の眼科のウェブサイトの料金を見てみると、両眼でICLは60万円~70万円、レーシックは20万~40万円といった価格帯のところが多い。ICLは高度な技術を必要とするライセンス制のため、一般的にレーシックよりも金額が高い。

手術時間はほぼ変わらない。

いずれも20分程度と短く、日帰りで済む。術後に継続的なメンテナンスをする必要もない。視力が低い人は、眼鏡やコンタクトなしで生活できるようになる。

一つの大きな違いは、「施術前の状態に戻せるか」という点だ。目の内のレンズを取りはずせるICLに対して、レーシックは角膜を削っているため、元には戻せない。

また、ICLが21歳以上が対象で、強度の近視の人に向いているのに対し、レーシックは18歳以上、中・軽度の近視の人に向いているといわれている。

「ハロー・グレア」や感染症、合併症のリスクあり

当然、手術のリスクも考慮しなければならない。

レーシックは術後、人によってはドライアイや、光がにじんだり、クリアに見えなくなる「ハロー・グレア」という症状、時間が経つと視力が戻った状態になる可能性、感染症・合併症のリスクなどがある。

一方ICLはドライアイになりにくいが、強い衝撃などでレンズがずれて再度手術が必要になる可能性がある。またレーシック同様にハロー・グレアの症状が出たり、感染症・合併症になったりする恐れもゼロではない。

ICLやレーシックは公的医療保険が適用されない「自由診療」であり、治療を行っている各眼科のウェブサイトには、さまざまなメリットやリスクが記載されている。いずれも治療費は高額で、特にレーシックは元の状態に戻せない。

治療を検討する際はできるだけ多くの正しい情報を参照し、リスクをよく理解した上で眼科に相談してほしい。<J-CASTトレンド>

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