マグニチュード7.3、最大震度6強を観測した2021年2月13日夜の地震。政府の地震調査委員会は、今後1週間程度は同じ程度の揺れに注意するよう呼びかけている。
大きな地震が発生すると、離れた場所にいる家族や友人の安否が気がかりだ。現代はSNSをはじめ、確認手段が多様化している。時代とともに変わってきた確認方法やツールを、過去の例とともに見てみよう。
固定電話しかなかった阪神大震災26年前の1995年1月17日早朝に発生した阪神・淡路大震災。最大震度7を観測し、6000人以上が命を落とした。当時はまだ携帯電話が普及しておらず、主な通信手段は固定電話だった。KDDIの公式サイトによると、阪神・淡路大震災では関西地方の電話回線がパンク状態となり、事実上、何日も安否確認ができない状態に陥った。
震災を経験した滋賀県の男性は、「連絡手段は固定電話でした。当時、何百万戸もの停電、ライフラインの寸断があり、電話も全く相手に繋がらず、どうすることもできなかった」と振り返った。
「時期を置いてから(兵庫県の)友人に電話しました。安否確認できて安心したのを覚えています」
ただ、通話できるまで2週間程度を要したという。
一方で、このころは家庭へのパソコンの普及が始まった時期だ。
そして10年前、2011年3月11日の東日本大震災では、スマートフォン(スマホ)を利用する人が増えていた。SNSも普及し、電話がつながらない場合はツイッターやフェイスブックで安否の確認を行う人が続出した。
ツイッターでは安否確認だけでなく、世界中から日本に励ましのメッセージが送られた。半面、根拠なき情報やデマも流れた。
既読ついたら安心するそして、今回の福島県沖の地震では、安否確認に無料通話アプリ「LINE」を利用したとの声を、ツイッターで複数確認した。「既読」機能が安心材料になったという声もある。
「LINE便利だなって思った・・・既読ついたら、とりあえず安心する」「夜地震があった時、家族に即LINEしたけど既読付いたと分かった時は『無事だ、ヨシ』って安心したよね」
実は、既読機能の開発には重要な意味が込められていた。2016年3月12日付の朝日新聞デジタルは、LINEについて「誕生のきっかけは大震災だった。ラインの運営会社は、電話がつながりにくい中でも『大切な人と連絡を取れるサービスが必要だ』と判断」と報じている。さらに、
「こだわりは、相手がメッセージを読んだか分かる『既読』機能をつけたこと。相手に返信する余裕がなくても、既読と分かれば安心する」
としている。

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