竹下製菓(佐賀県小城市)が販売するバーアイス「ブラックモンブラン」。発売から52年の歴史を持つアイスだ。
カリカリ食感のクランチとチョコに、あっさりとしたバニラアイスの組み合わせで、九州の「ご当地アイス」「ソウルフード」という肩書きでしばしば紹介される。本当にそうなのか。九州在住者を取材すると、幅広い年代から熱い「ブラックモンブラン愛」のメッセージが届いた。
「全国区じゃないのにがくぜん」40代女性Aさんは「ブラックモンブランを見せて喜んだら九州の民、というくらい」と語る。以前、東京に住んだ時には「全国区じゃないのにがくぜんとした」。昔は、あたりの棒が出ると500円をお店からもらえたそうだ。子どもにとって、500円は大金。今でも「あたりがハズレかワクワクして食べるのがブラックモンブランの醍醐味」だという。
別の40代女性Bさんにとっては、もはや「ソウルフード」の枠を超えて、「なぜ全国で販売されていないのか疑問でしかない。子どもの頃のおやつの定番」とまで評価する。20代女性Cさんは「ブラックモンブランで育ちました(笑)」。
2021年6月8日現在、ブラックモンブランは税込119円だが、40代男性Dさんは「価格が50~60円のときから食べています。クランチを本体につけたまま取り出すか、友達と勝負していた」と振り返る。今回の関東進出については、「関東の方は、人生の3分の1損していたのを取り返すチャンスですよ!と心の底から言いたい」。
クランチについて思い入れがある人も多い。30代男性Eさんは「あのクランチをぼろぼろこぼしながら食べるのが九州っ子」で、「だいたい気が付いたら服にチョコが付いている」。九州にいて、ブラックモンブランを今まで食べたことがない人がいるのかどうかわからないくらいのソウルフードだそうだ。30代男性Fさんは「食べ終わったあと、お皿に残ったクランチを、ついついつまんじゃう」。先日、ブラックモンブランを食べていて「500円分の図書券が当たった」と喜んだ。
「間違いなくソウルフード」と語る30代女性Gさんは、クランチもさることながら、「良い意味でバニラが薄いので、外で食べると溶ける速さとの勝負」と語った。
関東進出で「バンドがメジャーデビューしたような寂しさ」ブラックモンブランへの思いがありすぎて、語りきれないと頭を抱える人もいる。
「ブラックモンブランと共に育ったといっても過言ではない」。
「九州の子たちはこれで育っているといっても、言い過ぎじゃないです」とは、30代男性Iさんだ。リーズナブルなので子どものころに食べた記憶が多くあり、「私の思い出にもブラックモンブランが溶け込んでいる」。ボリュームと食感、そして「アタリ付き」というエンタメ性に優れているのが人気の理由ではないかという。
30代女性のJさんは「関東進出」に触れ、「いよいよか」という気持ちと、「応援していたバンドがメジャーデビューしたような少しの寂しさ」を覚えている。関東在住の人に向け「おいしいので絶対に食べてほしい。ゴミ箱の上で食すことをおすすめします」と熱烈にアピールしている。クランチがこぼれやすいからだろうか。
「ブラックモンブランは、九州に根付いたソウルフード」。回答者たちから寄せられるコメントの数々からして、疑いようもない事実のようだ。その思いは、とにかく熱かった。

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