東京・蔵前にコリビング賃貸住宅「HAUN蔵前」が2025年9月1日から入居開始となる。

コリビングとは、居住空間とワークスペースの2つの特徴を併せ持つ住居のかたちを指す。

8月27日に行われた説明会と内覧会では、運営するHAUNの代表取締役社長・吉嶋法生氏が、「HAUN(ハウン)」について、「程よい距離感」と「自然とふれあえる空間」がコンセプトだと話した。すでに約40室が予約申込み済みという。

「居場所をたくさん」「心地よい暮らしができるように」

「HAUN蔵前」は、都営大江戸線・浅草線・蔵前駅から徒歩約6分の場所に位置する新築のワンルームマンション。部屋にはトイレ、シャワー、洗面台、エアコン、クローゼット、専用Wi-Fiがある。冷蔵庫、デスク、ベッドといった家具・家電付きだ(家具なしの部屋もあり)。

また、一部では蔵前にゆかりのあるインフルエンサー、フォトグラファー、ファブリックブランドがレイアウトした「コラボレーションルーム」も設けられている。

2階の共有部分に、調理器具や食器付きのキッチンやライブラリー、ダイニングルーム、ワークスペースなどがあり、1人で本を読む、作業をする、住民と交流するなど自由な過ごし方ができる。

既存の「HAUN田端」(24年3月オープン)では、その地域で活動しているアーティストやブランドとコラボしたイベントやワークショップを共有スペースで開催しており、今回の「HAUN蔵前」でも同様のイベントを検討しているという。1階にはカフェスタンドをオープンする予定だ。

「HAUN蔵前」の建築チームの1人、「mok architects」代表の森田美紀さんは、デザイン上のこだわりについて、「居場所をたくさん作ったところ」と話す。また、「無理のない形でどうやって1日を暮らせるか」を考え、朝は光を感じ、夜は暗めなるという光の設定にもこだわったと話した。

建築チームの「&K architects」代表の金田未来さんは、

「ホテル的な綺麗さもあるけれど、別に背筋をすって伸ばさないと使えないわけではなくて、本当に家として使ってもらえるように、明るさであったり素材や色、そういったものを選びました。
(住む人が)心地よい暮らしができるように考えたつもりです」

と話した。

また、コンセプトの1つである「自然と触れ合えるような空間」づくりのために、共有スペースには植物が多くあしらわれているが、それは造花などではなく、すべて本物の植物を使っているなどのこだわりも明かした。

「1人の時間」と「わいわい」...「グラデーションで使っていただける施設を」

コリビング賃貸住宅「HAUN」ブランドでは、24年3月に「HAUN田端」がオープン。「HAUN尾久」が25年8月にオープンし、「HAUN蔵前」はそれに続く3番目となる。今後、26年にも3棟、27年に2棟の「HAUN」ブランドのマンションが開業予定だ。

社長の吉嶋氏は、日本の20代から30代の単身者向けの住まいについて「選択肢が非常に限られている」と感じ、「違う選択肢を作っていきたい」との思いで「HAUN」ブランドを手掛けたと明かした。

「HAUN」のコンセプトは、「程よい距離感」と「自然と触れ合えるような空間」だという。

このうち「程よい距離感」について、吉嶋氏は、「(大勢で過ごす時間と1人の時間の)中間の時間の過ごし方がすごく大事じゃないかと思っております。ようは、1人で本を読んだり仕事に集中したりしているけれど、周りに誰か......名前は知らないかもしれないけど、誰かいるよねという、そういうスペースが重要」と話した。

「シェアハウスというと、みんなで集まって大画面でサッカー観戦をして、ビール飲んでワイワイ騒ぐみたいなイメージあると思うんですけど。もちろんそういう使い方もできます」としつつ、「入居者さんが1人でいたい時も対応できるし、みんなでも騒げるしという、グラデーションで使っていただける施設を作っていきたい」と説明した。

プロジェクト責任者のマーケティング・マネージャー清水彩加さんは、「HAUN」を「シャイな人のためのシェアハウス」と表現する。

現在満室だという「HAUN田端」で入居者にヒアリングをすると、「シャイなんだけど、でも人懐っこい方々が多いなという印象」を受けるという。

「人と話せる時は話したいし、好奇心旺盛だけど、自分からみんなで戯れるのはあんまり得意じゃないという人は案外たくさんいらっしゃって、そういう方々にとても心地よさを与えられているのではないかなと感じます」

個人での契約のほか、法人での契約もあるという。また、2拠点生活の人にも勧めていきたいとした。<J-CASTトレンド>

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