元プロレスラーのアントニオ猪木さんが、7月26日、自身のツイッターで「心アミロイドーシス」という難病におかされていることを告白。SNS上では、驚きの声とともに、病と向き合う猪木さんに多くの応援コメントが寄せられました。日本では特定疾患に指定されている「心アミロイドーシス」とは、どのような病気なのでしょうか。症状や治療法について、内科医の古家敬三さんに聞きました。息切れや呼吸困難、夜間の呼吸が苦しくなるといった症状が。かかりつけの内科、もしくは循環器内科を受診し早期診断・治療が重要
Q:「心アミロイドーシス」とは、どのような病気なのでしょうか?
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まず、「アミロイドーシス」とは、アミロイドと呼ばれる難溶性のタンパク質繊維が、心臓、肺、腎臓などのさまざまな臓器の細胞外に沈着し、臓器機能が低下して発病するものです。
アミロイドーシスは、複数の臓器にアミロイドが沈着する「全身性アミロイドーシス」と、特定の臓器にだけアミロイドが沈着する「限局性アミロイドーシス」に大別されます。
限局性アミロイドーシスの一例としては、脳にアミロイドβというタンパク質が溜まって発症する、アルツハイマー型認知症などがあります。
全身性アミロイドーシスのうち、心臓にアミロイドが蓄積し、心臓の働きが悪くなる状態を「心アミロイドーシス」といいます。診断確定が難しく、治療困難な疾病と見なされてきましたが、近年、診断法の進歩により、心不全の原因として珍しくないことも明らかになってきました。