最近、ChatGPTやClaude、Gemini等のAIツールで起業アイデアを考える会社員が爆増しています。確かにAIは優秀で、わずか数分で何十個ものアイデアを提案してくれます。
でも、断言します。AIが生成したアイデアで成功する起業家は、ほぼ存在しません。
理由は明確です。本当に儲かる起業アイデアは「現場のリアルな困りごと」から誕生するからです。
起業18フォーラムのメンバーBさんは、介護施設で働く友人から「利用者さんの薬の管理が大変で、飲み忘れや誤薬が心配」という話を聞きました。そこで高齢者向けの服薬管理アプリを開発。少しずつ成長させています。
これって、AIに「高齢者向けのヘルスケアサービスを考えて」と頼んで出てくる答えとは、明らかに違いますよね?
真に稼げる起業アイデアは、あなた自身が実際に見て、聞いて、感じたからこそ見つかるものなのです。
AI発想が底の浅い理由を3つ暴露1.「血の通った体験」が皆無AIには実体験がありません。あなたが朝の満員電車で感じる息苦しさ、深夜残業後のコンビニで「また弁当か」と感じる虚無感、親の介護で感じる不安。こうした「あるある」な悩みこそが、実はお宝なんです。
これってAIには絶対に思いつけない「生々しい悩み」ですよね。
多くのヒット商品が「業界の非常識」から誕生しています。Uberがまさにそうでした。タクシー業界では「プロの運転手じゃないと危険」が常識だったんです。でも、一般人でも安全に送迎できる仕組みを作ることで、世界中で爆発的に普及しました。
この「常識って本当に正しいの?」という疑問を持てるのは、その業界で実際に汗を流している人だけです。AIは過去のデータから学習するため、むしろ「既存の常識」を補強する傾向があります。
3.「時代の微妙な変化」を察知できないTikTokが日本で大ブレイクしたのは、コロナ禍での巣ごもり需要と完璧に合致したからでした。既存のSNSに飽きていた人々のニーズと、短尺動画というフォーマットが絶妙にマッチしたのです。
この「今がチャンス!」という直感は、AIには持てません。電車内でみんなが見ているアプリの変化、コンビニで売れ筋商品の移り変わり、職場での会話の変化。こうした微妙な変化を敏感にキャッチできるのは、実際にその場で生活している人間だけです。
明日から実践「現場の嗅覚」育成法日常の「プチストレス」を漏らさず記録通勤中、業務中、家庭で感じる小さな不便を全て書き留めてください。
「この手続き、毎回めんどくさいよね」「なんでこのシステム、こんなに使いにくいんだろう」こうした何気ない愚痴の中に、ビジネスの種が眠っています。
業界ルールに徹底的に疑問を持つ「なぜこの業界では、こんなやり方が当たり前なんだろう?」「お客さんは本当にこれで満足してるのかな?」この疑問こそが、革新の出発点です。
AIは最高の相棒として使い倒せ誤解してほしくないのですが、AIを完全否定しているわけではありません。市場調査や競合分析では大いに活用すべきです。でも、起業アイデアの「本質」部分は、必ず人間が考えるべきです。
あなたの体験、感情、直感、現場での発見。これらは世界に1つだけの、あなただけの財産です。
今すぐ始めてください。スマホに「気づき」メモを作って、毎日小さな発見を蓄積していく。半年後、そこには他の誰も気づいていない起業アイデアの原石が、山ほど蓄積されているはずです。
(新井 一/起業コンサルタント)