耳鳴りはなぜ起こる?鍼灸治療で改善できる理由とは!の画像はこちら >>

■「耳鳴」とはどんな症状?

耳鳴(じめい)は、一般的に耳鳴り(みみなり)と言われます。疲れてくると、頭の中に「キーン」という音が聴こえる人は多いと思います。

聴こえる音の時間は、大抵数秒です。
耳鳴とは、「体外に明らかな音源がないのにも関わらず、耳の中で何かが鳴っているような感覚」のことです。耳鳴は、自覚的耳鳴と他覚的耳鳴に大別されますが、他覚的に評価することは難しく、現時点では検査法が存在しません(『病気が見えるVol.13 耳鼻咽喉科』p21)。
耳鳴は、改善を希望して鍼灸院に来院されることが多い症状です。短時間で解消される症状のため、気にせず過ごす人は多い症状ですが、来院される人は、常時耳鳴を感じています。耳周辺で感じるので耳鳴りということが多い症状です。片方の耳から聴こえることが多く、「耳鳴りは、右・左のどちらですか」という聞き方になります。しかしながら、人によっては、両方から聴こえるという人が少なくありません。左右の聴こえ方が異なるという人も多くいます。聴こえ方は、高いキーンとした音、低いジーという音、セミが鳴くような音など様々です。
長期に及ぶ人は、頭の中から聴こえると言います。この症状は頭鳴(ずめい)と言われます。
頭の中で何種類もの音が聴こえる人がいます。聴こえてくる方向も様々です。頭鳴を訴える人は脳に異常がある場合も考えられますので、専門医の受診を推奨します。

■耳鳴を感じるときはどんなとき?

私自身も耳鳴を感じるときがあります。キーンと短時間聴こえますが、大抵は強い肉体疲労を感じているときです。背景には、寝不足や長時間に及ぶ労働があります。耳鳴を感じることによって、「早く寝よう」とか「今日は早めに仕事を切り上げよう」と思います。
全ての症状は、肉体の疲労や内臓の機能低下を教えてくれるサインですので、からだが発する声をありがたく頂戴しています。
このタイミングで、生活を見直すか否かがポイントです。生活を改めないと、耳鳴の頻度が、一日数回から数十回になり、一日中へと進みます。次第に耳鳴の音が強くなり、両方の耳へ発展すると、生活すること自体に支障が出るようになります。一週間も強い耳鳴を聴き続けると、精神疾患へと移行することも考えられます。

そのため、耳鳴を感じた時点で対処することを勧めます。
鍼灸院に来院する方のおからだを診察すると、多くの人に腎臓の機能低下がみられます。

腎臓は、下記のような生活が機能低下を誘発すると思います。
1. 冷たい物や辛い物の飲食のし過ぎ
2. 22時以降の飲食や激しい運動のし過ぎ
3. 寝不足(6時間未満)
4. からだを外から冷やし過ぎる(25℃未満のクーラー)
5. セックス過多(含自慰行為)

夏は、電車や会社の室温が低く設定されているところが多いようです。外気温が高いと汗が良く出ます。汗を拭かない(拭けない)状態で室温が低い部屋や場所に入ると汗が冷やされて、体温の低下を招きます。このことを繰り返すことも、腎臓の機能低下につながります。就寝時に一晩中クーラーの中にいることも、腎臓の機能低下を助長します。
腎臓に負担がかかり始めると、尿の回数が一日5~6回程度より多くなります。腰や下半身がだるく感じる、夜中にふくらはぎがつる(痙攣する)などの症状が出始めたら、上記の生活習慣の改善をしていただきたく思います。

■耳鳴に鍼灸治療は有効です

耳に関係する症状で数多くの人が来院されます。代表的な症状は、突発性難聴です。

鍼灸治療を行ったことによる作用機序は明らかになっていませんが、発症した初日に鍼灸治療を行うと当日または翌日に解消されることが多い症状です。1~2回治療して、良く睡眠を取り、休養していただければ、症状が消失する確率は高い病気です。耳鳴は、「子供の頃より感じているが治る症状だと思わなかった」という人が数多く来院されます。根気良く治療すれば、症状の軽減または消失を期待できる症状ですので、お近くの鍼灸院または鍼灸師が勤務している医療提供施設にしていただきたく思います。
鍼灸治療や瘀血治療は、身体の外側から内臓機能に働きかけることが可能な「内外科治療」です。薬物治療(内科治療)で効果を得られない人や外科手術(外科治療)をしても症状が消失しない人は、是非鍼灸治療(内外科治療)をお試しいただきたく思います。
体力が低下している人には、ヨガ(YOGA)がお勧めです。ヨガ(YOGA)の運動法と呼吸法を身に付けることによって、めまいの解消や予防に繋がります。清野が呼称する養正(ようせい)治療は、日常の適正な生活です。詳しくお知りになりたい方は、清野鍼灸整骨院ホームページ「くらしと養生」をご参照ください。

(清野 充典/鍼灸師)

編集部おすすめ