1、歯に虫歯で穴が空く
歯が虫歯菌によって溶かされると、「冷たい飲食物を飲んだり、甘いものを食べたりすると歯がしみる」などの一般的な虫歯の症状が現れます。
2、穴が深くなり、バイ菌が歯髄(歯の神経)を侵し始める
虫歯が歯髄に入り始めて歯の内部で炎症を起こすと、夜眠れないほど痛みがひどくなります。この状態を歯髄炎といい、熱い飲み物や食べ物もしみたり、何もしていなくてもズキズキと強く痛み出したりします。ほとんどの人はこの痛みに耐えかねて歯科医院を訪れることになります。
3.感染病巣が顎の骨の中にできる
歯髄が完全に腐って死んでしまうと、一時的に痛みは治まってしまいます。しかし、この間、バイ菌は根っこの中を通り、根の周囲に病巣を広げます。根の周囲が膿んでくると、鈍い痛みや疼くなどの症状が出始めます。この状態を根尖性歯周炎といいます。
4、顎の中で化膿が拡がる
顎骨の内部は骨髄と呼ばれるスポンジ状の柔らかい組織で、ここでバイ菌が広がると骨が腐り始める場合があります。これを骨髄炎といいます。さらに骨髄には血液が豊富に流れているため、この頃になると血液にバイ菌が混じり、血流に乗って全身にバイ菌が運ばれるようになります。これを菌血症と呼びます。
5、血液を介して全身にバイ菌が広がる
血液中には免疫機能を担う白血球がいますので、通常はバイ菌が侵入してきても感染が広がることはありません。しかし、糖尿病などの基礎疾患があったり、栄養状態が悪かったり、疲労の蓄積していたりすると免疫力が低下し、白血球による防御が十分になされない場合があります。バイ菌が心臓に到達し、心臓内部で広がって炎症を起こすと感染性心内膜炎、脳に到達すれば脳膿瘍(脳が膿んでいる状態)など、命に関わる病状をきたしたケースが報告されています。
6、そして敗血症へ
また、新たな飛び火を生じなくても、元の病巣から血液中にバイ菌が供給され続けると、やがて免疫機能が破たんし、爆発的にバイ菌が繁殖して血液が腐った状態=敗血症となってしまう場合もあります。こうなると手の施しようがなく不幸な結末を迎えることになります。
虫歯以外に、歯周病や親知らずの化膿を放置した場合にも、同様の転帰をたどった症例が報告されています。これらは、適切な時期に歯の治療や原因歯の抜歯、抗生剤の投与が行なわれれば、大きな問題になりません。しかし、痛みや腫れがあるのを何度も我慢し、感染が広がった段階でも治療を行わないでいると、命にかかわるリスクが生じる可能性があることを知っておいてください。

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