いま、職場でのパンプスやヒールのある靴の強制をやめるように訴える運動「KuToo」が話題を呼んでいる。ことの発端は石川優実さんによる電子署名サイト・change.orgへの嘆願だった。
葬儀案内のアルバイトをしているという石川さんは「就業ルールとして、ヒールのあるパンプスを履くように定められています」と明かし、「パンプスやヒールは、人によっては外反母趾になる、足から血が出る、靴擦れ、腰に負担がくる、様々な健康被害を招きます。今よりももっと歳をとった時のことを考えても心配です」と主張。さらに“マナーだから”という理由でそれらを強いられることに違和感を覚えたとして、次のようにつづっている。
「全ての人が今よりももっと働きやすく、それによって職業選択の幅が狭まらず、無駄な負担のないような労働環境を目指すため、厚生労働省へ署名を提出し、会社へ性差によるハイヒールやパンプスの強制を禁止するように通達をしてもらうことを目的とします」
石川さんはこうした運動を「KuToo」と命名。署名を呼び掛けたところ、大反響となった。さらにTIME誌で取り上げられたこともあり、ついには1万8,000人以上の署名が集まった。そして6月3日、厚労省に提出した。
しかし根本匠厚生労働大臣(68)は5日の衆院厚労委員会で立憲民主党・尾辻かな子議員(44)の「ハイヒール・パンプスが義務づけられる必要はあると思われますか?」という質問に、こう答弁したという。
「女性にハイヒール・パンプスの着用を指示する、義務づける。これは、社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと。それぞれの業務の特性がありますから」
さらに尾辻氏は「女性にのみこういうハイヒールやパンプスの着用を求めるのは、ハラスメントに当たりうるものでは」などと幾度も根本大臣に意見を求めたが、「強制されるものではないだろう」「社会通念上、業務上必要かつ相当な範囲を超えているかがポイントだ」などと繰り返したという。
そうした根本大臣の発言について、Twitterでは非難の声が紛糾している。
《根本大臣全然分かってないわー。ハイヒールを強制するような社会通念を見直せという話なのに》
《社会通念によるソフトな強制が問題視されてるんだから「女性にのみ苦痛を強いる社会通念は変えていかねば」て言うべきだった》
《要は「上の者の決めたことには素直に従え」ということだ。個人を尊重する発想がないから口にできる非常識な発言だ》
石川さんの署名は6日現在、2万5,000人分近い署名を集めている。

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