TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。
【今回の相談内容】
私は妻と3人の子供の5人で暮らしています。
【回答】
う~ん。いろんな要素が重なり合って、からまってしまったのですね。言い方とか、話す順番とか、言い出すタイミングとか、とにかくすべてがからまる方に向いちゃったのでしょう。もう、お気の毒としか言いようがないです。あなたも奥様もさぞかし嫌な思いをされていらっしゃるでしょう。
こういうとき、いちばん厄介なのは「事実」ではなく「感情」です。お母様方の言い分をお聞きしていないので片手落ちがあるかもしれませんが、あなたの言い分をお聞きする限り、あなたのおっしゃっていることに非はないように思います。家のローンを払っているのはあなただし(頭金とか出していただいてないですよね)、家の名義もあなた(たぶん)。となれば、その家に誰が住むかを決めるのはあなたということでしょう。「事実」はものすごくシンプルですよ。
ただ、そこには物語がありますからね。そして物語には「感情」がつきものです。「感情」がしゃしゃり出てくると、からまるのですよ~。そして私たちは、「からまったものをからまったまま置いておく」というのがとても苦手なものですから、すぐさま解きにかかります。もう、ひっぱったり、ちぎったり、むしったり、どんなことをしたって解こうとやっきになってしまう。
でも、力というものは押せば反発してくる。
【プロフィール】
玉置妙憂(たまおきみょうゆう)
看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。