看護師語る“コロナ看取り”の現場 92人感染の老人保健施設で

看護師語る“コロナ看取り”の現場 92人感染の老人保健施設で
       

「『病院に搬送はできません。施設内で看取ってください』札幌市の保健所から、そう言われて、遺体を入れる納体袋だけが施設に届いたそうです。そもそも、老人保健施設に、十分な医療設備はありません。コロナの重症者にできることといえば、酸素吸入を行うか、解熱剤投与や点滴をするくらい。私たちは、入所者さんたちが亡くなっていくのを、ただ看取るしかできませんでした……」

そう話すのは、看護師の金澤絵里さん(43)。これまで金澤さんは、看護師の経験を生かして、アフリカや中東、東南アジアなどで医療支援に携わってきた。日本では、離島や僻地の診療所で働いた経験も持つ“スーパー看護師”なのだ。

そんな金澤さんが、コロナ禍で駆けつけたのが札幌の老人保健施設、茨戸アカシアハイツだった。

「アカシアハイツでは今年4月、最終的には92人もの新型コロナの集団感染が起きて、看護師が一人もいなくなってしまうという緊急事態に陥ったんです。私は、札幌のNPOに所属しており、それ以外に看護師のボランティアネットワークのメーリングリストに登録していたので、何か緊急事態が起こると、それらの団体から支援を必要としている被災地の情報が流れてきます」

アカシアハイツで看護師が必要だという緊急メールが金澤さんの元に送られてきたのは今年5月3日だった。

「自分が感染するリスクもある。悩みました。札幌市に問い合わせたら、個人防護具は十分確保している、と。それなら自分を感染から守り最後まで全うできると思って行くことを決めたんです」


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2020年10月26日の社会記事

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