「今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。
こうコメントしたのは泉ピン子(73)だ。4月5日、公私共に交流のあった橋田壽賀子さん(享年95)が熱海市内の自宅で死去。冒頭のコメントは橋田さんを追悼するものだ。さらにピン子は「思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました」とも明かしている。
’78年のドラマ『夫婦』(NHK総合)で出会い、43年来の仲だった2人。以降’83年の連続テレビ小説『おしん』(NHK総合)や’90年にスタートした『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)など、名作ドラマでタッグを組んできた。
「橋田さんの脚本はセリフが長いため、ピン子さんは四苦八苦することもあったそうです。また橋田さんは簡単には褒めません。そのため、緊張が続いたピン子さんは激痩せしたこともあったといいます。しかし’13年に公開された『おしん』の映画版で加賀屋の大奥様役を演じた際、『温かい演技だった』と橋田さんは絶賛。そのことを、ピン子さんはとても喜んでいました」(映画関係者)
プライベートでも縁を深め、一緒に何十カ国も旅してきたという2人。そうするうちに、あるターニングポイントがピン子に訪れたようだ。
「もともとブランド好きだったピン子さんはサハラ砂漠に行ったり北極でシロクマを見たりと、普段とは違う環境に身を置くことに。そうして『もっと軽やかに生きよう』と考えるようになったそうです。橋田さんの大らかな性格の影響もあったそうで、『先生と出会ったことで人間が変わった』とも話していました」(スポーツ紙記者)
ピン子は、橋田さんの影響で熱海へ移住もしている。そんな彼女に、橋田さんも母のように愛を注いだという。
「ピン子さんはたとえ監督であっても、ときにはぶつかることがあったそうです。しかし、橋田さんは『あの子のキャラクターだから』とあえて注意しなかったといいます。“彼女の個性を伸ばしてあげたい。それを演技に活かしてほしい”という気持ちだったのでしょう。橋田さんは“女優・泉ピン子”の演技が好きで、あてがきの台本を書くこともあったといいます」(テレビ局関係者)
13年4月、本誌で「私にとって『おしん』は、30年前から特別なドラマでした。いまでも当時の撮影のことや、セリフや方言も覚えています」と語っていたピン子。染み付いた“橋田節”はこれからも、彼女の糧となるだろう。

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