エアコンの電気代が気になる季節を目の前に、「電気代値上げ」の発表……。でも、カンタン&低コストで電気・ガスの使用量を抑える方法が、100円ショップにありましたーー!
今年5月ぶんから、電気・ガス料金がともに値上がりしている。
「電気料金が上昇する要因の一つに、再生可能エネルギー導入のコストの値上げがあります。太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギーで作った電気は、電力会社が決められた価格と期間で買い取らなければいけません。これは『固定価格買取制度』(FIT)」と呼ばれていますが、その原価が供給会社にとって大赤字。これを国民に負担してもらおうと、『再エネ賦課金』が月々の料金に上乗せされているのです」
そう語るのは、元経済産業省の官僚で、制度アナリストの宇佐美典也さん。
いっぽうガス料金は、石炭や石油などの化石燃料から、CO2排出量が少ない“エコ”な液化天然ガス(LNG)への切り替わりによる価格変動の影響を受けている。
「短期的にも、長期的にもガス代は値上がり傾向。右肩上がりは当分続きそうです」
これから10年近く値上がりが予想されている、電気・ガス料金。「対抗手段を考える必要がある」と宇佐美さんは語る。
でも、なにか効果的な節約法はあるのだろうか……。
「おすすめなのは、100円ショップのグッズを使った節約です! 家事の“時短”に使えるグッズは、電気・ガスの使用量を抑えてくれるのです」
そう教えてくれたのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。
■100均グッズを使った「電気・ガス料金」節約テク7
【1】鍋料理に「シリコーン落としぶた」
時間のかかる煮物料理などは落としぶたをすることで熱を逃さず、ガス使用量を約11%減らせる。東京ガスの試算によれば、24cmサイズの鍋で2L・20度の水を沸かした場合、ふたありでは6.8分、ふたなしでは7.5分。年間で換算すると約620円の節約になる。
「私が使っているのは、アク取りもできるシリコーン素材です」(和田さん・以下同)
【2】部屋の豆電球に「LEDナツメ球」
常夜灯として一晩中つけたままにすることが多いナツメ球をLED電球に交換することで、電気代を節約。さらに白熱電球の20~40倍寿命が長いことも特徴。睡眠中にナツメ球を8時間つけっぱなしにした場合、消費電力5Wの白熱電球の電気代は年間約394円。それに比べて、LED電球では“10分の1”の約39円に。
【3】部屋のプラグに「コードタグ」
キッチンまわりの調理器具は、使わないときプラグを抜いておくことが節約に。家電のプラグにタグをつけておけば、使っていないコンセントが一目でわかる。電気ポットに水2.2Lを沸騰させ1.2Lを使った場合、6時間保温状態にしたときと、冷めてから再沸騰させたときとでは、年間で約2,900円も電気代が違うのだ。
【4】室外機には「すだれ」
エアコンの室外機に直射日光や照り返しがあると、熱を排出しにくくなり多くの電力を消費してしまう。室外機に日よけをしておくと、電気の使用量を約5%カットすることができ、年間で約860円の節約に。
「吹出し口をふさいでしまわないよう注意。かえって室外機に熱がこもってしまいます」
【5】湯船に「保温アルミシート」
保温効果の高いアルミシートを湯船に浮かべることで、追いだきの回数を減らせる。2時間の放置により4.5度低下した湯(200L)を追いだきする場合、年間で約6,190円の節約に。
「保温シートに加え、さらに風呂ぶたをして二重にすると、お湯が冷めにくくなります」
【6】髪を乾かすときに「ヘアドライ手袋」
吸水性のよいマイクロファイバー製の手袋が髪の水分を吸収し、短い時間でしっかり髪が乾く。1回のヘアドライにかかる時間を8分から5分に短縮した場合、年間約1,537円の電気代が約940円に。
「ドライヤーは消費電力が1,200W前後と高いため、電気代を削減する最も効果的な方法は使う時間を短くすることです」
【7】野菜の下ごしらえに「電子レンジ調理器」
加熱しにくく時間がかかるような野菜は、専用の電子レンジ調理器に入れて加熱しよう。ブロッコリーの下ごしらえにガスコンロを使うと、年間で約1,470円のガス代が。電子レンジであれば電気代約410円、つまり年間1,060円の節約に。
「時短と節約、両方を手軽にかなえてくれます」
すべて実践すれば年間約1万2,570円の節約に(※本誌調べ、資源エネルギー庁の省エネポータブルサイト参照。電気料金は27円/kWhで計算)。