都内でも有数のしゃれた店が立ち並ぶ、渋谷区の裏通りでもひときわ目を引くデザインのビル。8月7日の午後1時、ビルの前に一台の車が静かに停車する。
ビルの入口には緊張した面持ちで2人の従業員が背筋を伸ばして立っている。すると、車からスーツを着た屈強そうな2人のSPが現れ、警戒した様子で周囲を見回す。
そんな超厳戒態勢のなか、満を持して車から登場したのは小泉進次郎環境相(40)。そして、妻の滝川クリステル(43)も続いて現れ、つないだ手の先には昨年1月に誕生した長男(1)の姿も。スタッフに丁重に出迎えられながら3人はビルへと入っていく。
「ビルにあるのは業界屈指の有名美容室。オーナーは世界的評価の高いセレブ美容師で、奥菜恵さん(42)や前田敦子さん(30)など芸能人からの指名も多く、滝川さんも公私ともに親しいそうです。別の階では素材にこだわった料理を提供するカフェも併営しています」(美容ジャーナリスト)
3人が再び姿を見せたのはそれから3時間後の午後4時過ぎ。車がビルの前に横付けされると、スタッフの合図とともに滝川と長男が店から登場。そして、少し遅れてベビーカーや大量の荷物を抱えた進次郎環境相がSPに守られながら、車へと乗りこんでいった――。
奇しくもこの日は、2年前に進次郎環境相と滝川が結婚を発表した日。“記念日”に家族3人で、髪を切り、おしゃれなカフェでの食事を楽しんだのだろうか。
進次郎環境相の事務所に事実を確認すると、代理人の弁護士事務所から次の返答が。
■進次郎氏の事務所の返答は…
「通知人及び通知人の妻(編集部注:進次郎環境相夫妻)は、当該店舗(同注:カフェのこと)に併設されている美容室の個室に置いてヘアカット等のサービスを受けただけで夫妻のための食事の提供を受けておらず、家族で記念日を祝う食事をするために当該店舗を訪れたのではありません」
カフェでの食事を否定し、滝川と2人で髪を切っただけ、と強調した進次郎環境相サイド。
とはいえ、東京は4度目の緊急事態宣言が発出されている真っただ中。連日、国民へ不要不急の外出自粛を呼びかけている政府の一員として、家族総出で美容室にお出かけとはあまりにも“上流”すぎるように映るが……。
’09年に初当選し、甘いマスクと歯に衣着せぬ発言ぶりで将来の総理の有力候補だった進次郎環境相。
しかし’19年の大臣就任後、「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこよく、セクシーであるべきだ」「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」といった“迷言”を連発するなど、評価が急降下している。
「昔は納得いかないことは自民党内でも意見する“党内野党”として一目を置かれていましたが、最近は的外れな発言が多く、求心力を失っています。9月末には自民党の総裁選が行われる予定ですが、彼の名前は全く聞こえてきません」(全国紙政治部記者)
政治評論家の伊藤惇夫氏も言う。
「世間的な人気は高いから、永田町でも表立って彼のことを悪く言う人はいませんが、腹の中では誰も評価していないと思います。天才子役が大きくなってどんなに立派な俳優になるかと思ったら期待外れだったことと同じですね」
ピンチの夫を支える立場である滝川の評価も芳しくないようだ。
■進次郎氏の入院費用は1泊約18万!
「この秋には衆議院の総選挙が控えていますが、滝川さんが進次郎さんの地元・横須賀で後援会や支持者にあいさつしているという話を聞いたことがありません」(前出・政治部記者)
さらに夫妻の“上級国民”ぶりが報じられたことも。
「進次郎さんは今年5月に虫垂炎を患い、都内の大学病院に入院することに。しかし、入院したのが広さ100平方メートルを超える特別な個室で、入院費は1泊18万円前後であったこと。
また、病院での面会は原則禁止されているなか、滝川さんは進次郎さんの手術中に特別室で待機し、その後面会したことを『女性セブン』が報じ、夫妻に批判が集まっていました」(スポーツ紙記者)
政府が自宅観戦を強く呼びかけている東京五輪期間中に家族総出で繁華街にある美容室へSP同伴で行った進次郎環境相。
果たして、本当に“必要火急”なことだったのだろうか。神戸学院大学法学部の上脇博之教授はこう語る。
「行き先がレストランではないとか、個室だから感染対策は問題ないとか、それは言い訳であって、緊急事態宣言下ですよね。“人流を作らないで”と発信している側の大臣が、そういう行いをすること自体が問題だと私は思います」
感染症を専門とする「のぞみクリニック」の筋野恵介院長も「感染対策としては問題ない」としつつも、苦言を呈す。
「買い物以外の外出自粛をお願いするような緊急事態宣言下で、送迎付きで美容室に行くというのは特権を利用しているように見られてしまうこともあるでしょう」
妻とセレブ御用達美容室で髪を整えた進次郎氏。しかし、その前に“根本的な政治家精神”から整え直すべきではないだろうか――。