「泣きたくても泣けなくて苦しんでいるのは、今本当にICUに入っている人たち、そして亡くなった人たち、そのご家族。その人こそが本当にこの政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい」

9月6日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ系)で、こう語気を強めて訴えたのは野々村真(57)。

新型コロナの感染で入院していた野々村だが、退院後は8月30日の放送回から“リモート復帰”している。だが野々村の発言に、「筋違いでは」と反論が続出しているのだ。

番組では菅義偉首相(72)が自民党総裁選で、立候補断念を表明した経緯を特集。菅首相の不出馬は「新型コロナ対策に専念したい」との理由だったが、背景には“逆風”があったことが伝えられた。その要素として、菅首相の“お膝元”である横浜市長選で支援した小此木八郎氏(56)の落選や、安倍晋三前首相(66)や麻生太郎財務相(80)から見放されたことなどが挙げられた。

このことについて、MCの坂上忍(54)から意見を求められた野々村。すると「僕は本当に申し訳ないですけど、もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」と、真剣な面持ちで口を開いた。

続けて「こういう状況になって、『今かよ!』っていう。コロナ感染がどうしようもない状況になっている時にここで解散総選挙にしろ、人事を変えるにしろ、そういうことで1カ月も2カ月も国会も止まると考えると、何にも進まないじゃないかと思う」と熱弁。

さらに「安倍さんに麻生さんに、二階さん。その人たちの言うことで自分の言いたいことが言えなくなってしまう、一国の総理ですよ。その人が『この状況では何も言えなかったんだな』と、つくづく国民は悲しむしかないです」と、菅首相を痛烈に批判したのだった。

最後は「生死をさまよった人間として言わせてもらいますけど、本当に今、この時点で沢山の人が苦しんでいるんですよ」と主張し、冒頭のように“新型コロナの感染は政治のせい”と言わんばかりに訴えた。野々村の一連の発言に、SNS上では落胆する声が相次いでいる。

《野々村さんが回復されたのはとても良かったことですが、それで菅さんに当たるのは筋違い》
《テレビ局のスタジオやご自身はちゃんと感染対策されてましたか? なんでも菅さんのせいにするのは違います》
《芸能人に感染が蔓延してるのは個人個人の感染対策とテレビ局の感染対策の結果じゃないですか? 感染した事、それ自体は責められないし、お大事に思いますが、それと同じように、感染したことを菅総理のせいにするのは稚拙すぎません?》
《結局さ、菅首相への批判って、野々村真みたいな逆恨みか八つ当たりがほとんどだったんじゃないの?》

■野々村の感染源はドラマ撮影

本誌は9月7日号で、野々村の感染源がABCテレビ制作のドラマだったことを報じている。

「7月下旬の撮影開始後から、出演者が相次いで感染。野々村さんはじめ、出演者やスタッフを合わせて13人もの感染者が出ました。ドラマ撮影現場で、この規模のクラスターは業界初だといいます」(在阪テレビ局関係者)

従来のタイプよりも感染力が強く、日本でも猛威を奮っているデルタ株。最近では飛沫だけでなく、空気感染の可能性も指摘されている。野々村のように相次いで芸能人の感染も報告されているが、テレビ局の感染対策は“アップデート”されていないという。

「マニュアルは更新されていますが、デルタ株の空気感染にはまだまだ対応しきれていません。特にラブシーンなど人と人との接触が避けられないドラマ撮影では、どれだけ対策を徹底していたとしてもデルタ株から逃れられる確証はありません。

いっぽうワイドショーやバラエティ番組では、司会者やゲストたちはマスクを着用せずに大きな声で会話をしています。国内の感染状況が悪化してもスタジオ内での感染対策が強化されないことに、多くの視聴者は疑問を抱いています。

そのような場所で声高に政府批判をする前に、『テレビ局での感染対策を見直すべきでは?』と感じてしまう人も多いのでしょう」(制作会社関係者)

一時は肺が真っ白になり、酸素吸入器を使用するまで症状が悪化したという野々村。壮絶な体験に同情が寄せられていたが、一転して批判を集めてしまったようだ。

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