老化の大敵ともいえる“糖化”を防いでくれるだけでなく、実にさまざまな健康効果をもたらしてくれるレモン。そんなレモンの力を最大限に引き出す簡単&絶品レシピ7点を、健康効果別に大公開――!
あの酸っぱさが、いかにも体によさそうなレモン。
そのほか、クエン酸やポリフェノールなどさまざまな成分を豊富に含み、骨粗しょう症や便秘など、女性に多い症状にも威力を発揮。認知症の予防にも一役買うことが明らかになっている。
レモンに含まれる「元気」と「長寿」に役立つ成分は次のとおり。
〈ビタミンC〉:活性酸素の除去、免疫力の増強/血管の強化、美肌効果/ストレス緩和/ホルモンの分泌促進
〈クエン酸〉:代謝の活性化、疲労の回復/骨粗しょう症や貧血の予防
〈ポリフェノール〉:抗酸化作用
〈カリウム〉:血圧の改善
〈食物繊維〉:便秘解消作用
毎日の「レモン生活」が元気のカギといえそうだが、そこに身近な食材を組み合わせれば、各食材が持つ栄養素との相乗効果で、健康効果もパワーアップ!
そこで今回は、レモンの持つ7つの健康効果別に、組み合わせたい食材を用いた本誌オリジナルの「若返りレモン組み合わせレシピ」を紹介。教えてくれたのは、工藤内科(福岡県みやま市)の工藤孝文先生だ。
■老化物質が激減! お肉がおいしくなる「レモン汁漬け」の方法
肉をレモン汁に漬け込むと、焼く、揚げるなどの高温調理で発生する老化物質「AGE」が減少。使用する肉は、牛肉、豚肉、鶏肉、なんでもOK!
【基本の漬け方】
肉全体が浸る程度のレモン汁を入れ、20~30分漬け込む。ひき肉は粘り気がなくなり成形できなくなるのでハンバーグなどには使用できないが、そぼろやミートソースならOK。
【肉を漬ける際のポイント】
・肉がまんべんなく漬かるような容器を使うか、ジッパー付きポリ袋に入れてもみ込む。
・レモン汁の量は、肉のグラム数に対し約4分の1が基本。肉が薄い場合は、肉が漬かればよい。
・厚い肉は漬け込むのがおすすめ。
・レモン汁に漬け込んだ肉は白っぽく変色するが、品質に問題はない。
■「貧血」レモン×豚肉:豚バラねぎ塩レモンだれ
クエン酸×ビタミンB12で貧血予防に効果あり!
「レモンに含まれるクエン酸には、鉄分などの吸収率が低いミネラルを体に吸収しやすくする働きがあるため、貧血予防に効果的です。また豚肉には、不足すると貧血の原因になってしまうビタミンB12が豊富に含まれています」(工藤先生・以下同)
【材料】2人分
豚バラ…200g
レモン汁…50ml
長ねぎ…白い部分1本分
A:ごま油…大さじ1、レモン汁…15ml、塩…小さじ2/3、ブラックペッパー…少々
【作り方】
〈1〉豚バラをレモン汁に20~30分漬ける。
〈2〉よく混ぜ合わせたAに、みじん切りにした長ねぎを加え、さらに混ぜ合わせる。
〈3〉水気を拭き取った〈1〉に軽く塩、こしょう(分量外)する。
〈4〉熱したフライパンにごま油(分量外)をひき、中火で〈3〉を焼く。火が通ったら器に盛り付け、〈2〉を添える。お好みでレモン、パセリ(分量外)などを飾り付ける。
■「認知症」レモン×サケ:塩ザケのソテーレモンバターソース
AGEの抑制とプラズマローゲン効果で認知症リスクの軽減につながる。
「レモン果汁には、認知症のリスクを高める『AGE』ができるのを防ぐ働きがあります。いっぽうサケは、エビやホタテと並び、認知機能を改善する栄養素『プラズマローゲン』がもっとも豊富に含まれる食材のひとつです」
【材料】2人分
塩ザケの切り身…2枚
塩こしょう…各少々
バター…30g
レモン汁…5ml
トマト…1個
コンソメ…5g
【作り方】
〈1〉トマトを湯むきして種を取り、角切りにしておく。
〈2〉熱したフライパンにオリーブオイル(またはサラダ油/分量外)をひき、軽く塩、こしょうをした塩ザケの両面を焼く(グリルでもOK)。
〈3〉〈2〉を焼いている間にバターを鍋に入れて弱火にかけ、溶け始めたら〈1〉とレモン汁を加え中火にする。
〈4〉バターが完全に溶けたらコンソメを加え、混ぜ合わせて火を止める。
〈5〉器にサケを盛り付け、〈4〉をかける。
■「美肌」レモン×酢:彩り野菜のレモンピクルス
コラーゲンの生成促進と腸内環境の正常化で美肌をゲット!
「レモンに豊富に含まれるビタミンCは、皮膚のもととなるコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素で、お肌の酸化も防ぎます。また、酢酸は血液をサラサラにし、腸内環境を整えることで肌の新陳代謝を活発にしてくれるため、美肌につながります」
【材料】2人分
にんじん・きゅうり…各1/2本
パプリカ(黄)…1/2個
A(ピクルス液):レモン汁…50ml、塩…小さじ1、にんにく…1かけ、?酢…150ml、水…100ml
【作り方】
〈1〉きゅうり、にんじんをさらに半分の長さ(1/4)に切り、縦に四つ割りにする。パプリカは縦1cm幅に切る。
〈2〉鍋にAを入れ中火にかけて混ぜ合わせる。沸騰したら火を止め、〈1〉を全部入れる。
〈3〉粗熱が取れたらジッパー付きポリ袋に〈2〉のピクルス液ごと入れ、冷蔵庫で2時間ほど冷やす。
■「骨粗しょう症」レモン×大豆もやし:もやしときゅうりのレモンナムル
クエン酸&イソフラボンで骨粗しょう症の対策はばっちり。
「レモンに含まれるクエン酸には、カルシウムを吸収しやすい形に変える「キレート作用」があるため、骨を丈夫にして骨粗しょう症を防ぐのに役立ちます。
【材料】2人分
大豆もやし…1袋(200g)
きゅうり…1/2本
A:レモン汁…15ml、ごま油・酢…各大さじ1、塩…小さじ2/3、しょうゆ…少々
【作り方】
〈1〉大豆もやしは水洗いして水気を切る。きゅうりはさらに半分の長さ(1/4)に切り、千切りにする。
〈2〉鍋に水(分量外)を沸かし、塩少々(分量外)を入れて大豆もやしをさっとゆがく。
〈3〉〈2〉をザルにあけ、流水で冷やしてから水気を拭き取る。
〈4〉ボウルでよく混ぜ合わせたAに〈3〉の大豆もやしときゅうりを加え、全体をよく混ぜ合わせて器に盛り付ける。
■「高血糖」レモン×まいたけ:まいたけレモンマリネ
抗糖化食材のダブル効果で血糖値対策の切り札に!
「レモン果汁には体の糖化を防ぐ働きがあり、高血糖の予防にも◎。まいたけには食物繊維が豊富なほか、αグルカンという血糖降下作用のある成分も含まれているため、一緒に食べることで効果がアップ! 食事の最初に食べるのがおすすめなので、前菜のマリネとして」
【材料】2人分
まいたけ…1パック(100g)
にんにく…1かけ
A(マリネ液):レモン汁…10ml、オリーブオイル…大さじ1と1/3、チューブ入りにんにく…1cm、塩…少々
鷹の爪…1本
塩…少々
【作り方】
〈1〉まいたけは食べやすい大きさにほぐし、にんにくはみじん切りにする。
〈2〉Aをよく混ぜてマリネ液を作っておく
〈3〉フライパンにオリーブオイル(分量外)をひいて中火で熱し、〈1〉のにんにくのみじん切りと鷹の爪を入れる。
〈4〉にんにくの香りが立ったらまいたけを加え、塩を加えて炒める。
〈5〉〈2〉のマリネ液に〈4〉を加え、よく混ぜ合わせる。粗熱が取れたらジッパー付きポリ袋に入れ、冷蔵庫で30分ほど冷やす。
■「高血圧」レモン×玉ねぎ:玉ねぎとトマトのレモンサラダ
硫化アリルの血液サラサラ効果で血圧のお悩みを解消。
「レモンに含まれるカリウムには、余分なナトリウムを排出し、正常な血圧を保つ働きがあります。血液をサラサラにする硫化アリルや、血圧を低下させるケルセチンがたっぷり含まれた玉ねぎと一緒に食べれば一石二鳥!」
【材料】2人分
玉ねぎ・トマト…各1/2個
レモン(スライス)…5~6枚
ブロッコリースプラウト…1パック(50g)
A:酢…小さじ1、塩、こしょう・ナンプラー…各少々
【作り方】
〈1〉玉ねぎを薄くスライスし、トマトは1cm角の角切りにする。スライスしたレモンはいちょう形になるよう放射状に切る。
〈2〉よく混ぜ合わせたAに〈1〉とブロッコリースプラウトを加え、さらによく混ぜ合わせて器に盛り付ける。
■「便秘」レモン×緑茶:レモン緑茶
整腸作用を高める簡単レシピで頑固な便秘にサヨナラ!
「レモンには腸を刺激し活動を活発にさせる働きがあるほか、緑茶にも腸内環境を整える働きがあるため、便秘解消におすすめのドリンクです。また、生薬を加えると薬効もアップ。たとえばミントを加えれば空腹感が紛れますので、ダイエット効果も高まりますよ!」
【材料】
レモン汁…15ml
緑茶…1パック(茶葉、パウダーでも可)
お湯…150ml
【作り方】
〈1〉カップに緑茶のティーバッグを入れ、お湯を注ぐ。茶葉なら急須で緑茶を入れる。
〈2〉〈1〉にレモン汁を入れて混ぜる。
サラダからメインまで、いずれもレモンの酸味を生かしているので、さっぱりしていてこれからの季節にぴったり。そのうえ、「若返り」につながる栄養素もきっちり取れるので、日々の食卓にぜひ取り入れてみてほしい。
【PROFILE】
工藤孝文
減量外来ドクター。