4月から、お出かけになるご公務も増えてきた雅子さま。今年の上半期の装いを、ファッション評論家の石原裕子さんに解説してもらいました。

「皇后になられ、プリントや柄のものをあまりお召しにならなくなりました。そして襟や袖口などのデザイン、素材やボタンなど細かなところへのこだわりを、以前より追求されているように思います。日本芸術院賞授賞式でのスーツは、’19年のトランプ前米大統領夫妻来日の際にもお召しになっていましたが、ジャケットを少しリフォームすることでゆったりと優しい印象で着回しされています。また、アクセサリーも主にパールをお使いになるなど、シンプルでも皇后らしい気品と華やかさが感じられる装いをされています」

シンプル+αに宿る品格。そんな、雅子さまの2022上半期ファッション振り返ります。

■〈+α1〉異素材で豪華さを演出

【5月15日】沖縄復帰50周年記念式典

純白のシルク地で清潔感を感じるスーツ。襟、袖、裾にレースのモチーフを縫い付けアクセントに。

【5月19日】全国赤十字大会

シンプルなテーラードスーツに、上襟、ポケット、袖口に透け感のあるオーガンジーを用いて、爽やかで華やかな印象に。白と紺の靴でバイカラーを徹底された素敵な装い。

【6月27日】日本学士院賞授賞式

薄いシルクを和服のように膨れ織りにしたアンサンブル。一見ショールカラーのようなテーラードの襟のデザインにこだわりが感じられる。お帽子のリボンも同じ生地をお使いに。

■〈+α2〉ショールカラーで柔らかく

【1月1日】新年ビデオメッセージ

生成り色とショールカラーで優しい印象に。襟のブレードが華やかさを加えている。

【1月1日】新年用ご一家写真

新年のビデオメッセージの装いと同じデザインのスーツ。クラシックなシルエットだが襟のパイピング、ウエストのチャイナボタンなど細部に気配りが。

■〈+α3〉国際的ご公務は和テイストで

【4月13日】日本国際賞授賞式

雅子さまがお好きな色である、ロイヤルブルーのドレスアンサンブル。細めのショールカラーから左へドレープでまとめたデザインが着物の合わせのようで、和のテイストを感じさせる。

【7月1日】日米フルブライト交流計画70周年記念式典

シボを施した、和服の楊柳を思わせる生地が涼しげなスーツ。4月13日のアンサンブルと同じく、着物の襟のように左に寄せられたドレープが、洋装の中にも和の印象を与える。

■〈+α4〉ボタンにもこだわりが

【6月5日】全国植樹祭

水色が美しい、全体的に細身のダブルブレストスーツ。中心がシルバーで小さめの水色のボタンを2列に並べ、シャープな印象に。

【6月20日】日本芸術院賞授賞式

ウエストにピンタックの入ったシンプルなスーツに、楕円形の凝ったデザインのボタンをお使いになり、さりげなく上質なオシャレを。

■〈+α5〉お心を寄せられる色使い

【4月18日】みどりの式典

着物の紬のような粗い目に織り上げた布地の、若葉色のスーツ。

同色の少し光沢のある生地を使った上着のトリミングがアクセントになっている。ブローチも葉っぱの形を選ばれ、みどりの式典にふさわしい装い。

【4月23日】アジア・太平洋水サミット開会式

大洋を思わせるブルーのゆったりしたスーツは、カーブがかかった襟が女性的で優しい。光沢のある丸襟のインナーに気品が感じられる。

■〈+α6〉ローブ・モンタントは胸元の飾りで華やかに

【1月18日】歌会始の儀

上質のベルベットが歩かれるときの揺れに合わせ美しく光る、チャイナカラーのローブ・モンタント。華やかで優雅な宮中儀式の装い。

【2月23日】天皇誕生日「祝賀の儀」

濃紺のベルベットがミンクのような光沢を持つローブ・モンタント。襟の周りと袖口の小さなビーズの輝きがまるで星のよう。

■愛子さまとリンクコーデを!

【1月1日】上皇ご夫妻へご挨拶

ドレスの丸襟に沿ったパールのネックレス、イヤリング、ブローチ。そしてセーラーハットもおそろいの母娘コーデで新春のご挨拶に。

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