人間とともに暮らし、“家族”の一員でもあるペットたち。しかし、そんな最愛のペットたちを見知らぬ小学生に傷つけられたという告白が注目を集めることとなった。

10月26日、Twitterで被害を報告したのは鷹やハヤブサ、アヒルを飼育している男性のAさん。同日、勝手に庭に侵入した小学一年生によって、ペットたちが高圧で水を浴びせられ続け、さらにシャベルやバスケットボールほどの大きさの岩を投げつけられるという被害に遭ったという。

被害を受けた鷹は人間不信気味となり、ハヤブサは足にケガを負うことに。Aさんは、事件の様子を映していた監視カメラとともに被害届を警察に提出したという。

「監視カメラの映像を見たとき、怒りで手が震えた」ともツイートしているAさん。小学校の関係者や、保護者と子供も謝罪にきたというが、いっぽうで弁護士にも相談していると報告した。

突然の出来事によって、愛する動物たちが傷つけられるーー。そんな思いがけない事件に遭遇したAさんに、取材を申し込むと書面で回答してくれた。

まず、事件の経緯についてAさんはこう明かす。

「10月26日の13時30分頃、奥さんは仕事に、自分は買い物に行っていて、家が留守になっていました。アヒルはもともと外飼いで、ペットサークルの中にいました。猛禽は自作の架(ほこ)に繋いで、日光浴中でした。

ところが15時半頃に帰宅したところ、庭のコンクリートが濡れていて、さらに積んであった石やシャベルなどが散乱していました。鷹やハヤブサが普通ではない濡れ方をしていて、足から血が出ていて、羽も折れていて、なにか違和感を覚えました。

『空き巣でも入ったのか?』と思ったものの、家の中は異常無し。そこで監視カメラを確認しました」(以下、カッコ内はすべてAさんのコメント)

するとカメラには下校途中と思われる子供が庭に侵入する姿がーー。

■「子供本人から謝罪は確かにありましたが…」

「子供は水道の蛇口を開け、ホースを引っ張り出し、鳥たちが近づけないギリギリの距離まで近づいて鷹、ハヤブサ、アヒルに向かって高圧で水を噴射。その合間にデッキに置いてあったシャベルやボウルを投げ、置いてあった岩を両手でフラフラしながら持ち上げて投げていました。これを6回ほど繰り返して、時間にして15分ほど続きました。

一番被害を受けたのはハヤブサです。繋いであったため逃げられず、もがきながら鳴いていました。その姿をカメラの映像で確認しているとき、奥さんは震えて『これ以上映像は見れない』と。自分も怒りで手が震えて、マウスの操作がおぼつかなくなりました。直後に『絶対に許せない。

すぐに映像を持って警察に行こう』と行動しました」

その後、警察署から帰宅したAさんは、すぐに小学校に連絡。ランドセルカバーの色から1年生だとわかっていたため、そう伝えたところ、Aさんの家に教頭と教育指導の教師ら計3名がやってきたという。

「映像を観て、先生方もショックを受けているように見えました。そして映像確認を終えると、すぐに子供が誰であるかわかったようでした。すると事件の翌日の夜に、保護者の方から『警察にいるので、これから謝罪に行きたい』との連絡がありました」

そして、保護者とともに子供が謝罪にやってきた。子供は「“鳥に水をかけるとどうなるのか、石をぶつけるとどうなるのか”という好奇心でやった」と事件の経緯を説明したという。Aさんは謝罪を受けるいっぽうで、違和感も覚えたようだ。

「子供本人から謝罪は確かにありましたが、始終お父さんの顔色を窺っている感じでした。やったことに対する反省というより、怒られたくないがための謝罪に感じてしまいました。1年生なので、仕方ないのかもしれませんが……。お父さんもそれがわかったのか、お子さんを叩くこともありました」

■Aさんが考えた対策「引っ越しはすると思います」

「住所が割れていて家も近いため、揉めて再犯や嫌がらせをされるリスクをどうしても考えてしまうんですよね……」と苦しい胸中を明かすAさん。Twitterでは弁護士に相談していると綴っていたが、「当事者同士で示談を目指す方向になるかなと思います。

その際にも、弁護士さんが協力してくれるそうです」と述べる。

Aさんは、今回の件で学んだことがあるという。

「『動物を飼うにあたり防犯カメラは絶対に必要だ』と改めて感じました。本当に何が起こるかわかりません。『自分たちは大丈夫だろう』と思っていたら、こういうことが起きてしまったので……。“保険”は何重にもかけておく必要があると思いました。ドライブレコーダーと同じで、泣き寝入りの可能性も減らせると思いますしね。

また事件発生時、自分は感情的にツイートしてしまい、相手方の容姿やイメージを憶測で発言してしまった部分がありました(編集部注:当該ツイートは削除済み)。その結果、SNSの間で憶測が膨らんでしまったので反省しています。いっぽう、たったの1日でここまで自分の発言の影響力が大きくなるとは予想していなかったので、怖さを感じたりもしました」

この一件があり、動物たちのために対策を考えているようだ。

「具体的な対策としては、監視カメラを増設する。それから門の戸締りを徹底する。

また動物達の日光浴は休みの日に人がいるときにのみ行う、ということを考えています。

鳥たちは、日光無しで生きていくことはできません。猛禽類は小屋を建てる際、日光の当たり方を考慮してから建てるほどです。それほど日光は大事なのですが、今回の件で日光を浴びる、そんな当たり前のこともおちおち出来なくなってしまいました。

『今回は運がよかっただけ。一歩間違えれば取り返しのつかないことになっていた』とも思います。ただ外飼いのリスクのいっぽう、屋外で、自然のリズムで生活させてあげたいという気持ちもあり、戸惑っています。今後がどうなっても、引っ越しはすると思います。鳥達が安全に、のびのび暮らせる環境を作ってあげたいんです」

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