住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、憧れていたモデルの話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょうーー。
「’80年代、ハリウッド映画やアメカジなどの海外カルチャーが続々と日本に上陸しました。そして続く’90年代に憧れの的となったのは、ファッション界を席巻した海外のスーパーモデル。シャネルやヴェルサーチのファッションショーで、颯爽とランウェイを歩き、雑誌『VOGUE』の表紙を飾る彼女たちは、まるで夢の世界にいる人のようでした。会社のおじさん上司がパリやミラノに出張するときは、職場の女性社員からスーパーモデルを特集した雑誌の切り抜きを持たされ『これと同じものを買ってきてほしい』と、高級ブランド店をはしごさせられたりしたものです」
そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(55)。
日本でもなじみのあるスーパーモデルのひとりといえば、ナオミ・キャンベルだろう。
「父親は中国系ジャマイカ人といわれています。ニューヨークで久保田利伸さんと同じマンションに住んでいたこともあり、ドラマ『ロングバケーション』(’96年・フジテレビ系)の主題歌となった『LA・LA・LA LOVE SONG』(’96年)にコーラスとして参加しました。TBCのCMでは、キレイになりたい日本人女性ナオミが、同社のエステを受けることでナオミ・キャンベルに変身するという、コミカルな役を演じたことも。さらに小説なども発表しており、マルチな才能を発揮していました」
■手が届かないから憧れた美の最終到達点
クラウディア・シファーはセクシー系で、ビキニ姿が映えるモデルだった。
「ケイト・モスはスレンダーを強調したシースルードレス姿が多く、彼女に憧れて無理なダイエットをする若い女性もいた印象です。シンディ・クロフォードは、マリリン・モンローのようなほくろが魅力的。アイブローで口元にほくろを描くOLも。
スーパーモデルは神格化されていったが、リンダ・エヴァンジェリスタの「1万ドル以下のギャラならベッドから出ない」といった高飛車なコメントが批判を浴びるなど、人気に陰りが出てきた。
「’90年代後半となると、インターネットが普及し始めたことで宣伝の戦略が変わり、高級ブランドが彼女たちのイメージ頼みの広告を出す機会も少なくなりました。また、若い女性も手の届かないスーパーモデルより、身近な女優や歌手を手本にする傾向が強まり、ブームは終焉へと向かったのです」
【PROFILE】
牛窪恵
’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

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