「5月24日に映画『帰ってきた あぶない』が公開され、タカ&ユージが8年ぶりにスクリーンに帰ってきました。いくつになっても変わらない2人にファンからは驚きの声が上がっています」(映画関係者)
’86年にスタートした同シリーズで、主人公のタカこと鷹山敏樹を演じる舘ひろし(74)。
今作でもバイクアクションをこなすなど、70歳を超えても“ダンディズム”は健在だ。
「舘さんの体形は若いときから変わっていないそうです。『あぶない刑事』第1作で着用していたスーツを今でも着ることができるのだとか。
食事制限や筋トレなどは行っておらず、趣味のゴルフが体形維持のだといいます」(映像制作関係者)
誰もが知る名優の舘だが、俳優デビュー前の’70年代前半にはファッションデザイナーのドン小西(73)と共に、アパレル会社でデザイナーとして勤務していた。
こういった経験もあってか、服装に対してポリシーがあるようだ。かつて週刊誌のインタビューでこう語っていた。
《ぼくは自分で気にいったものしか着ない。衣装でも、気にいらなくて着ないことがあるし、着ててもすぐ脱いじゃうね》(『女性セブン』’90年7月5日発売号)
“ダンディー鷹山”の着用するスーツにも信念がーー。
「舘さんは、幼少期から英国好きの祖父に“品のある服を着ろ”などといった教えを受け、彼も町の仕立て屋さんでコートや洋服を作ってもらい着ていたそうです。
そんな生い立ちから、舘さんは“服装に関して保守的”と自称し、シンプルな着こなしを好んでいます。スーツはさらにこだわって、40年以上前から懇意にしているデザイナーに、オーダーメイドで製作してもらっています。
衣装も同じ人に頼んでいて、『あぶない刑事』第1作のスーツもこのデザイナーが製作したとか。
元デザイナーである舘さんの頭の中には、スーツのイメージがあって、これをデッサンして渡し、作ってもらうこともあると聞いています」(芸能関係者)
舘が「温かい、生きてるって感じね」と絶賛するスーツとは……。舘のスーツを製作しているメーカーの社長に取材した。
「舘さんのこだわりのひとつは“時流に合ったデザインを”ということです。流行に合わせて、肩幅が広くなったり狭くなったり、ズボンの幅も狭くなったり広くなったり、そのときそのときで微妙に変わっていくのです。“そこを外さないように”ということをいつも言われます。
もうひとつのこだわりは“シルエットがきれいに見えるように”ということです。
スーツにやわらかくきれいな曲線が出るように気にかけていらっしゃいますね。
たとえば、夏は綿を、冬はウール素材を使うのですが、舘さんのスーツにはそれぞれのいちばんやわらかい生地を使うように心掛けています」
舘の衣装への情熱が伝わる逸話が。前出の芸能関係者が明かす。
「ある作品で医師を演じた際、回廊を歩くシーンで着ていた白衣のひだが気に入らなかったそうです。そこで自分が思い描く“きれいなたるみ”を出すために、オーダースーツのデザイナーに白衣を仕立ててもらったことがあったといいます」
■「代表作を持てて、すごく幸運だった」
40年以上にわたり、舘のために製作されたスーツは膨大な数にのぼる。
「舘さんが’21年にテレビ出演した際に、40年間でオーダーメイドしたスーツは約800着と紹介され、『そのくらいあるかもしれない』と答えていました。
アクション映画の撮影では、擦り切れたり、破れたりする可能性があるので、予備の衣装も含めて2?3着作るようにしているそうです」(前出・芸能関係者)
800着ものオーダースーツにどれくらいのお金がかかっているのだろうか。
前出のスーツメーカーのホームページにはスリーピーススーツで一着35万円からと書かれていた。社長に尋ねると、
「35万円などのホームページに出している価格はあくまでも一般の方がオーダーハンドメイドで注文された際のお値段です。
舘さんの場合は当然、一般の方向けの価格とはまた違いますし、公表はしていません」
と話すのみーー。
「800着のスーツを一般販売価格で計算すると、総額3億円を超えます。全て自宅に保管してあるわけではなく、着なくなったものは人にあげたり処分したりすることもあるそうです。
共演を機に櫻井翔さん(42)や綾野剛さん(42)は舘さんのスーツを譲り受けていました」(前出・芸能関係者)
5月20日配信の「FASHION PRESS」のインタビューで、《僕は、俳優人生でこういう“代表作”と言える作品を持てたことが、すごく幸運だったと思う。一人の俳優として、とても強くしていただきましたね》
と熱く語っていた舘。自他ともに認めるダンディーな傑作には、スーツ代3億円の重みがあった!