《プライバシーへの配慮欠く質問も》フジテレビ　当初は批判浴びたディレイ放送が「大正解だった」と言われるワケ

中居正広（52）の女性トラブルに同局社員の関与が報じられた問題で、1月27日に2回目の記者会見を開いたフジテレビ。会見には港浩一元社長（72）、嘉納修治元会長（74）、遠藤龍之介副会長（69）、フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長（70）の4人が登壇した。午後4時から開始された会見だが、質疑応答は10時間23分にも及び、日を跨いだ午前2時23分に終了するという“異例”の展開に――。「会場には400人以上の報道関係者が詰めかけ、質問者は109人にのぼりました。前回の記者会見では参加メディアを限定し、テレビ局の映像撮影を認めないなどの対応に批判が集まり、スポンサーの75社以上がCMを見合わせる事態に発展。1月23日に行われたフジテレビ社員向けの説明会で、港社長は『失敗だった』と謝罪していたそうです。その反省を踏まえて、“やり直し会見”では参加メディアや質問数、会見時間など無制限で実施されたのです」（スポーツ紙記者）“オープン形式”での会見とはいえ、当日はフジテレビ側が講じた“対策”にも注目が集まっていた。トラブル当事者である女性のプライバシー保護の観点から会見の生中継は行われず、同局は映像音声を10分間遅らせて放送・配信するよう各社に“ディレイ放送”を要請していたのだ。女性に関するフジテレビ側の説明では、トラブルが発生した’23年6月に事案を把握した同局は「極めてセンシティブな領域」と判断し、女性の体調面の状況把握と回復を優先させてきたとのこと。女性からは「事案を公にせず、他者に知られず仕事に復帰したい」との意向が示されたことから、「極めて機密性の高い事案」として情報管理を行ってきたという。会見での質疑応答にあたって、司会者は「当該女性のプライバシーの方が最優先であるとの思いは、当初より一貫したものです。本日の会見も名前・所属先・肩書きなどを含め、個人の特定につながるようなご質問はお控えください。また個人の人権侵害、誹謗中傷と取られる発言もお控えください」と呼びかけていた。会見が始まった当初は、Xやネットでも批判の声も上がっていた“ディレイ放送”。しかし会見が進むにつれて質問者から怒号が飛び交うなどし、次第に“ディレイ放送”を肯定的に見る人が増えていたようだ。会見中盤以降には、Xでこんな声が上がっていた。《10分ディレイ大正解！！！》《フジテレビがなぜ生中継を許さず10分ディレイでの放送としたかがよくわかる会見だったね》《会見する前は、10分ディレイなんてダメだろ！と思ってたけど、現実みてディレイの必要性を心底納得したよね》というのも、会見で起こった“地獄絵図”が影響していると、前出のスポーツ紙記者は言う。「質疑応答では初手から、一部週刊誌で報じられた人物の実名や個人を特定するような発言が質問者から飛び出し、音声が調整される事態が相次いで起こりました。しかし司会者が『個人を特定するような質問になっておりますのでお控えください』と制止するも、『質問できないじゃないですか！』と興奮気味に声を上げて質問者が抗議する一幕もあるなど紛糾。午後9時台にはある質問者がトラブルについて、『一致ですか不一致ですか』などと約30分にわたって執拗に詰め寄る場面もありました。司会者や役員陣が『当事者同士が外部に発信していない情報』と説明するも引き下がらず、他の質問者もマイクを通さずにカットインするなど会場はカオス状態に。その後に指名された他の記者からも、『ルールを守ってください』『二次的被害になる』と注意を促す声が上がっていました。そもそも質疑応答のルールは、“質問は1人1回につき2問まで”“再度質問する場合はもう一度挙手”でした。会見終盤まで司会者がプライバシー配慮について注意を促す対応は続き、一部のルールを守らない記者によって疑惑を追及する側にも、世間から批判的な視線が注がれてしまいました。結果論になってしまいますが、当事者女性を始めプライバシーへの配慮を欠く質問などが飛び出してしまったことからディレイ放送は正解だったといわれても仕方ありません」見ている方もハラハラする展開となった“やり直し会見”。危機管理の観点から“ディレイ放送”を採用した、フジテレビの判断は正しかったようだ。