天皇皇后両陛下をはじめとした皇室の方々が、皇居・宮殿「松の間」へ粛々と入られていく。1月22日、新春恒例の「歌会始の儀」が開催された。

愛子さまはこれまでも歌会始の儀に和歌を寄せられてきたが、この日、初めて陪席されることに。

雅子さまと同様に優しい印象の、淡いクリーム色のロングドレスを召され、アクセサリーは真珠のネックレスとイヤリングを着けられていた。

「歌会始の儀は、記録によれば遅くとも鎌倉時代中期から行われている宮中の伝統行事です。大学時代には日本の古典文学を学び、『式子内親王とその和歌の研究』という題で卒業論文を執筆された愛子さまにとって、感無量でいらしたのではないでしょうか。真剣なご表情で、古式ゆかしい節回しに耳を傾けられていました」(皇室担当記者)

今年のお題は「夢」。雅子さまの御歌は、

《三十年(みそとせ)へて君と訪(と)ひたる英国の学び舎(や)に思ふかの日々の夢》

昨年、天皇陛下と国賓として英国を訪問した際の感動を詠まれたものだ。宮内庁のHPには、次のような解説が掲載されている。

《皇后陛下には、陛下とご一緒にオックスフォード大学を再び訪れることがおできになったことをうれしく、また感慨深く思われるとともに、ご留学当時の様々な想い出を振り返られながら、若き日の志を今ひとたび思い起こされたお気持ちをこのお歌にお詠みになりました》

雅子さまが英国での留学生活を懐かしまれたいっぽうで、愛子さまも大学生活にまつわる歌を詠まれていた。

《我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢》

昨年3月に学習院大学を卒業された愛子さま。大学の同窓生や、別の大学に進んだ高校時代のご友人たちとの再会の日まで、それぞれの夢に向かって励んでいこうという気持ちを込められた若さあふれる初々しいお歌だ。

歌会始の儀の選者を務め、美智子さまの未発表の和歌を収録した最新歌集『ゆふすげ』(岩波書店)に解説文も寄せている歌人の永田和宏さんはこう語る。

「『夢』はとても難しいお題だったと思いました。

選んでいるときも、いい歌が出てくるのかと心配しましたが、いい歌が集まったと思います」

■雅子さまも笑われた「夢」にまつわる歌

永田さんによれば、実は1万6千首を超える応募作のなかで、にこりとするような、似通った内容のものが多数あったという。

「それは、“夢でもいいから自分の歌が選ばれて、皇居の歌会始の儀に出席したい”というものだったのです。そのお話をしましたら、雅子さまは楽しそうに笑っていらっしゃいました。

歌には“そのときにしか詠めないもの”があります。愛子さまのお歌もそうでした。大学の卒業式を終えたばかりという節目でしか、詠むことができないものだと思います。

大学卒業により、離れ離れになっていく友達と再会の約束……。それぞれ道が分かれて、しばらくは会えないけれど、いつかきっと会おう、その日までそれぞれの夢を追いかけていこうという、いかにも若々しい歌です。“追ひかけてゆくそれぞれの夢”という表現も素晴らしいと感じました」

愛子さまは当初、“ふたたび会えるその日まで”とされていたという。

「私は、“会える”では文語表現ですと“会うことができる”という意味にはなりづらいとお伝えしました。

すると愛子さまは、“会はむ”にしますと、直してこられたのです。このあたりは式子内親王を研究し、古典に親しんでいますので、ご自分で調べられたと思います。

愛子さまには、『いましか作れない歌がありますので、たくさんお作りになってください』と、申し上げました。

『私は、人の歌を年間20万首ほど読んでいますので、愛子さまが少々たくさんお作りになっても全然平気ですよ』と申しましたら、愛子さまはびっくりされていました」(永田さん)

コロナ禍のため、大学への通学は4年生からになってしまった愛子さまだが、けっして長くはない1年間のキャンパスライフを満喫されていたようだ。大学卒業にあたって発表された文書で愛子さまは、その喜びを次のようにつづられている。

《高校までの友人たちとの嬉しい再会とともに、大学入学後の新たな友人たちとの交流も始まり、学年の枠を越え、友人たちと一緒に授業を受けたり、直に話をして笑い合ったり、学内の様々な場所を訪れたりしたことは、私にとって忘れることのできない一生の思い出となりました》

■“恋バナ親友”は、いまは関西で勤務

こうした愛子さまのご友人たちへの思いについて、交友関係を知る学習院関係者はこう明かす。

「愛子さまご自身も学習院初等科時代から成績優秀で、運動もお得意でした。“類は友を呼ぶ”という言葉もありますが、昔から周囲には才能に恵まれたご友人たちが多かったのです。

昨年5月、天皇ご一家はコンサート『ヴィオラスペース2024』を鑑賞されており、愛子さまの初等科・女子中等科の同級生であるバイオリニストの五月女恵さんも出演していました。

また、’23年に『ミス日本「海の日」』をつとめた稲川夏希さんは、初等科のバスケットボールクラブや、管弦楽部でもいっしょだった親友です。いまは東京大学法科大学院に在籍し、弁護士や政治家を目指しているようです」

愛子さまと同じように、昨年4月に就職した同級生たちもいる。前出の学習院関係者が続ける。

「愛子さまは“社会に直接貢献できる”という理由で、日本赤十字社に入社されました。 愛子さまのご友人たちも志が高い人たちばかりで、医学部で学んでいたり、いわゆる“一流企業”に就職した人も多くいます。

彼女たちに負けないように、早く一人前になりたいというお気持ちも、愛子さまのお歌から伝わってきました。その半面、それぞれの進んだ道で、精いっぱい頑張っている友人たちへのエールでもあると思います。愛子さまのお歌で、胸を熱くしたご友人もいるでしょう」

大学4年生のとき、愛子さまととても仲がよいとみられていたのが同級生のA子さんだ。

「A子さんも、学習院女子高等科からの内部進学生で、キャンパス内で愛子さまといっしょに歩いている姿が、たびたび目撃されていました。

愛子さまの文才はよく知られていますが、A子さんも学習院女子高等科時代に、ある文学コンクールで入選しており、“文学仲間”だったのです。A子さんも昨年4月に、ある有名企業に入社したそうです。いまは関西で勤務しているそうで、愛子さまが再会を楽しみにされているご友人の一人なのは間違いありません」

実はA子さんには、大学時代から交際しているというイケメンの恋人がいて……。

「いまも2人の交際は順調なようです。愛子さまもA子さんから“恋バナ”を聞いていたそうですから、“いつかは私も素敵な恋を”とお考えだったに違いありません」

いまこのとき、仕事や訪れるに違いない恋に夢をはせられる愛子さま。来年の歌会始の儀のお題は「明」と発表された。はたして愛子さまは親友たちに“明るい報告”をされることができるだろうか。

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