「現場の竹野内さんは、おちゃめなしぐさが多いんですよ。松嶋菜々子さんや戸田菜穂さんたちとの食事のシーンではカメラの回っていないとき『おなかが鳴らないか心配だなあ』などとつぶやいて笑いが起きたりとか……」(制作関係者)

今田美桜(28)がヒロイン・朝田のぶを演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』が好調だ。

なかでも視聴者の間ではSNSを中心に竹野内豊(54)演じる医師・柳井寛のセリフが《名言マシン》《名言製造機》などと連日、“心に響く金言”と話題になっている。

「寛はやなせたかしさんをモデルにした柳井嵩(北村匠海)の伯父です。25日放送分では、希望校に不合格となった嵩が帰宅せず、心配した家族は捜索に出ます。明け方になってようやく線路を枕にして眠る嵩を見つけた寛が《泣いても笑うても、陽はまた昇る。嵩、絶望の隣は希望じゃ》と励ます場面がSNSで絶賛されていました」(テレビ誌ライター)

意外にも竹野内は今作が朝ドラ初出演。発表時のコメントでは、

《撮影期間が長い分、キャスト・スタッフの絆も深まりやすいのではないかなと思っています。朝ドラへの参加は初めてなのですが、日本中に愛された作品の軌跡をたどる、このような特別な作品に参加できて光栄です》

と語っていた。前出の制作関係者は続ける。

「かねて竹野内さんは、“一度は朝ドラに出たい”と話していました。実はお母さんが昔から朝ドラ好きで、助演でもいいから“親孝行”を兼ねて出演したいという意向があったといいます。朝ドラへのオファーは何度かありましたが、今回は“誰もが愛するキャラクターを生み出した、やなせたかしさんに影響を与えた人物という役柄に魅力を感じた”ため引き受けたそうです」

’23年10月、竹野内は『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で当時83歳の実母についてこう語っている。

「とにかく明るくて、すごく楽しいことが大好きな人。

元気で映画鑑賞がとにかく大好きで、一人で年間何本も……。むしろ母のほうが映画に詳しいです」

自らの出演作品についても的確に批評してくれると明かしていた。

「結構厳しいんですよ、お世辞を言わない。『もう少しこうしたほうがいいんじゃないのか』とか……」

本誌は’22年11月に、竹野内が高齢の実母のため都内の一軒家で同居していると報じた。テレビ局関係者はこう語る。

「もともと竹野内さんは’14年、両親のために一軒家を購入しました。しかし、同年にお父さんが亡くなったこともあり、お母さんは一人暮らしをすることに。新型コロナ禍を経て、お母さんの体調を心配して一緒に暮らすようになったと聞いています」

前出の制作関係者は言う。

「竹野内さんは仕事現場でお母さんの話をよくしていますよ。芸能界入りしたのも、お母さんとお姉さんがファッション誌に写真を送ったことがきっかけでした。すぐに売れっ子になったこともあり、演技のことで竹野内さんに苦言を呈する人はほとんどいません。ですが、お母さまだけはズバッと“あの演技は面白くなかった”などと物申してくれるそうです。

そうした率直な感想をいまも励みにしていると聞きました」

竹野内が今作で朝ドラ初出演を決めたのは、“85歳のステージママ”も満足してくれる作品だと確信できたからなのだろう。

23日放送分では、進路に悩む嵩に寛は「何のために生まれて、何をしながら生きるがか、見つけるまでもがけ。必死でもがけ」と語りかける。放送後のSNSでは彼の発言が大きくバズっていた。

「多くの視聴者の心に刺さったのは、このセリフの中にお母さんの期待を背にデビューから全力で役者業にのぞんだ竹野内さんの“魂の本音”が秘められていたからかもしれません」(前出・制作関係者)

■阿部サダヲの台本が「真っ白」で……

もちろん『あんぱん』の快進撃は、応募者3千365人のなかから選ばれた朝ドラヒロイン・今田美桜の屈託ない演技の影響も大きい。NHK関係者は言う。

「主演の今田さんが撮影現場でもいつも笑顔なので、ピリついた空気もなく終始穏やかな雰囲気です。祖母役の浅田美代子さんもムードメーカーとなっています。夫役の北村匠海さんとは6度目の共演になるので“演技についてあれこれ言わなくてもわかるから助かるよね”と話していました。

この前、今田さんが初めて朝ドラ出演した’21年の『おかえりモネ』制作チームから彼女が好きなお菓子の差し入れがありました。当時のプロデューサーたちが激励のためサプライズで“陣中見舞い”に来たときは、今田さんの目が潤んでいましたね。撮影当時の思い出がよみがえってきたのでしょう」

豪華キャストでも話題の『あんぱん』。

名だたる出演者たちから驚嘆の声があがるのが“ジャムおじさん”のモデルともいわれる風来坊なパン職人・屋村草吉役の阿部サダヲ(55)の台本だという。

「大多数の俳優さんは、演出家の指導のもと、台本に書き込みや赤線を引くなどしていますが、阿部さんの台本はいつも真っ白。その場の気持ちと雰囲気で“ヤムおんちゃん”を体現しているんです。現場では吉田鋼太郎さんはじめ出演者からアドリブが数多く飛び出しますが、阿部さんの対応はいつも完璧。役者陣や制作スタッフから“アドリブ無双”ともっぱらの評判です。

阿部さんは北村さんとの共演シーンが度々あり、よく談笑しています。2人は俳優業の傍らバンド活動ではボーカルを担当するなど共通点が多い。休憩時間も北村さんは阿部さんの近くにいてなにやら話し合っていました。次のアドリブの相談をしているのかも……」(前出・NHK関係者)

『あんぱん』は撮影現場でもいっぱい“案”が詰まっていた!

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