《改めて、本調査報告書作成のために用いられた一切のヒアリング記録及びその他の証拠、事実認定のために使用した資料の開示を求めます》

フジテレビならびにフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会に対して、こう求めたのは、中居正広氏(52)の弁護団。5月30日、同委員会に対して、再度要求する声明を発表したのだ。

中居氏がフジテレビの元女性アナウンサーとの間に’23年6月に起こしたトラブルについて、第三者委員会は3月末に発表した調査報告書のなかで《性暴力》と認定した。しばらく沈黙を貫いていた中居氏だったが、まず5月12日に、新たに結成した弁護団が第三者委員会に“反論文書”を公表した。

そのなかで、第三者委員会がWHOの定義に基づき《性暴力》と結論づけたことに対し、《暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった》と反論。

しかし、第三者委員会はこれに対し、22日に“性暴力の事実認定は適切だった”と見解を変えることはなかった。中居氏は28日までに、音声データなどの関連資料に開示請求に対応するよう即座に要請し、30日の“再要求”で改めて反論した形だ。

一連の騒動によって、CMスポンサーが軒並み撤退し、依然混乱のなかにいるフジテレビ。5月に発表された2024年度の決算報告では、前年度の黒字から328億円の赤字となったことが明かされているが――。

「社内びっくりですよ!」

興奮気味にこう話すのは、あるフジテレビ関係者。何に“びっくり”しているのかというと、まもなく支給される“夏のボーナス”だ。

「5月19日に、2025年度上期のボーナス支給額が提示されたのですが、平均的な評価の30歳の社員で、75万円でした。さらに、功労金10万円と期末奨励金も70万円弱加わるので合計では150万円ほどになりますね。昨年の上半期が165万円ほどだったので、8%ほど減りはしますが、現状で下落幅がこの程度にすんだのは“奇跡”ですね」

労務行政研究所が東証プライム上場企業に対して行った調査によると、今年度の夏のボーナス妥結額の平均額は約86万円。

中居騒動によって、300億円の赤字を出しながら、倍近い支給額を提示できているフジテレビの“体力”には驚くほかない。

とはいえ、決して“安泰”でもないようだ。

「ボーナス支給額は評価のグレードによって変わります。30歳で一番低いグレードの人だと、総額100万円ほどになるので、平均的な評価の人と50万円ほど開きがあります。中居さんの騒動に関わった元編成幹部の男性は、これまで最上位グレードでしたが、今回は最低ランクになるのではないでしょうか。

また、広告収入は今も戻っておらず、下半期に大幅に回復する見込みも立っていません。そのため社内では、“下半期のボーナスは期待できない”と囁かれていて懐も寒い冬になりそうです……」(前出・フジテレビ関係者)

かつての“王者”の面影はいつになったら戻るのか――。

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