食品の高騰が止まらない。帝国データバンクによれば、今年の10月までに予定される食品値上げは累計14,409品目にものぼる。
そんな家計の大ピンチを救うのが、優秀食材のちくわだ。
「定番の節約食材ですが、穴に野菜を詰めたり、切り方を変えたりするだけで即一品になり、とにかく便利。うま味が凝縮されていて塩分を含むので、料理時に下味がいりません。そして、“穴”のおかげで味がよくからみ、ほかの食材や調味料とあわせやすい。おいしさを引き立たせるので、料理のアレンジの幅が広いんです」
そう話すのは、ちくわ好きを公言する、料理研究家の藤井恵さん。
「女性が積極的にとりたい低脂質高タンパクな食材は、卵、ささみや豚のヒレ肉などがありますが、それよりも安価でコスパがよいのがちくわです。魚のすりみが原料なので、脂質が少なく良質なタンパク質をとることができます」
今回は、藤井さんの著書のレシピ本『ちくわファンクラブ』(誠文堂新光社)から、4つのレシピを紹介してもらった。
「この時期なら、旬で安く手に入るセロリと、ひらひらするくらい薄く切ったちくわをあえてみて。セロリの香りには食欲増進の効果があり、夏バテ予防にもなります。ちくわに不足している食物繊維やビタミンCも補えます」
こちらは完成まで5分足らず、材料費はたった74円!
「メインのおかずになる酢豚は、豚肉の代わりに焼きちくわが大活躍。乱切りにすると、むちっとした弾力でかみ応えがあり、満足度が高まります。
ちくわは100円程度で購入できるスーパーのPB商品を活用するのがおすすめ。「ちくわの甘酢あん」は、彩り豊かなおかずなのに一人分約170円。豚肉を使うと360円かかるため、なんと4割も安く済むことになる。
いまが旬のさやいんげんが特売で手に入れば、ぜひ白あえにして。
「ちくわのうま味を生かせば、だしを使わずワンランク上の上品な味わいになるんです。 豆腐と練りごまが加わることで、摂取するタンパク質が増え、食物繊維、カルシウム、ビタミンEがとれるので栄養バランスもよくなります」
疲れて料理を作りたくない日にも便利なのが、1分で作れる栄養たっぷりのお吸い物。
「値上げが相次ぐ即席みそ汁に頼らず、ちくわとストック食材を使えばとっても安くつきます。ポイントはちくわをごく薄輪切りにすること。梅干しやとろろ昆布で疲労回復効果も期待できます」
これらの4品+茶碗1杯の白ご飯で「ちくわ献立」にすれば、栄養バランスを高めながら一人一食431円まで抑えられる計算だ。仮に毎日活用した場合、食費は8万円以下になり、昨年からの食品値上げの影響を余裕で“チャラ”にできる。
アレンジ自在のちくわで、飽きることなく値上げを乗り切ろう♪