「2025年7月に大津波」の夢が波紋も…話題漫画の著者が同時に訴えていた“その後の未来”

2025年7月に大災害が日本を襲う――。こんな“予言”がまことしやかに広がり、観光事業にも打撃を与えている。騒動のきっかけは、たつき諒氏（70）による1999年に出版された漫画単行本『私が見た未来』に掲載された予知夢に関する作品だ。「この漫画は長く絶版となっていましたが、2020年ごろから表紙に記されていた《大災害は2011年3月》との文言が東日本大震災を的中させているとして話題に。テレビやメディアでも大きく取り上げられ、中古市場では10万円以上のプレミアがつくほどでした。たつきさんはこの作品の発売後に漫画家を引退していましたが、さまざまな憶測や誤解が広まったため、新たにご本人の解説を加えた『完全版』が2021年10月に飛鳥新社から出版されました」そんななか、騒動を拡大させているのは“新たな予言”だ。前出の出版関係者は続ける。「たつきさんは同書の解説のなかで、“2025年7月に壊滅的な津波が日本を襲う”という夢を見たと明かしています。夢の詳細についても、“東日本大震災の3倍くらいの高さの津波が太平洋周辺の国に押し寄せる”と、イラストや地図を添えて説明していました。また、この夢を見たのは2021年7月5日だったそうですが、同書のあとがきには《夢を見た日が実現化するならば、次にくる大災難の日は「2025年7月5日」》とも記されていました」この予言は瞬く間に香港や韓国、台湾にも広がり、インバウンドにまでも影響を及ぼしている。「香港では搭乗客の減少を受けて、LCCの『グレーターベイ航空』が5月以降、仙台や徳島行きの直行便を減便。香港航空でも“日本への旅行需要が減少した”との理由で、7月から10月末まで運休すると発表しています。こうした現象は、台湾や韓国でも起こっているといいます。また、日本有数の観光地として人気の高い北海道でも、外国人旅行客からのキャンセルが増えていると聞きました。しかし気象庁の野村竜一長官（60）は『そのような予知の情報はデマと考えられる』とし、いつ・どこでも災害が起こる可能性はあるとして、日頃の備えを呼びかけています」（全国紙記者）たつき氏にとっても、観光事業にまで影響を及ぼすほど自分の見た夢が広まるとは思いもよらなかったようだ。いっぽう「完全版」の解説には、“2025年7月に大災害が起こった後の未来”についても予言されている。以下、一部を抜粋する。《事前に準備をしておいたことで多くの命が助かり、速やかに復興に向かって人々が活き活きと暮らしている、明るい未来像も同時に見えたのです》《大切なのは、準備をすること。災難の後の生き方を考えて、今から準備・行動しておくことの重要さを改めて認識してほしいのです》《2025年7月に起こる大津波の後の世界についてですが、私には、ものすごく輝かしい未来が見えています》本書によれば、たつき氏は漫画家時代に「夢日記」をつけることを習慣化していたが、あくまでも個人の記録だったという。実際に見た夢が予知夢だったかどうかは、“夢が実現化しないと判断できない”との考えも明かしていた。「たつきさんは『私が見た夢』が話題になるにつれ、自分になりすました人物がインタビューで不本意な発言をするといった出来事も起こり、頭を悩ませていたそうです。大津波の夢に科学的根拠がないことは、たつきさん本人も十分に理解しています。たつきさんが自ら作者を名乗り出て、さまざまなメディアのインタビューに応じるようになったのも、自身の作品をきっかけに人々の防災意識が高まるよう願っているからこそ。本書では “大津波の後に明るい未来が待っている”とも書かれていましたが、万が一、災害が起きたとしても、人々が心を通わせて協力し合うことの大切さを説いています。まずは不安を煽るようなデマや迷信に惑わされず、命を守る備えを心がけることが求められているのではないでしょうか」（前出・出版関係者）