7月3日の公示が目前に迫った参議院選挙。昨秋の衆院選で、与党である自民党と公明党が過半数割れという結果となったが、大きな影響を与えたのは自民党の「裏金問題」だろう。
これは、一部の自民党議員らが、政治資金パーティーで得た収入の一部を政治資金収支報告書に過小記載もしくは記載していなかった問題で、’23年11月に大手メディアで報じられ、国民の政治不信を高めることに。そのため、衆院選では、裏金問題に関与した議員に対して、自民党は非公認や比例代表との重複立候補を認めないといった重いペナルティを科し、下村博文元文科相や丸川珠代氏といった12名の有名議員が落選した。
裏金問題は決してまだ終わっていないなか、今回の参院選では、自民党から再び“裏金議員”の出馬が予定されている。果たして、国民は裏金議員を許しているのか? そこで、本誌は裏金問題に関与し、今回の参院選で改選を迎える議員ならびに出馬が予定されている議員のなかから、「当選してほしくない」議員について、WEBアンケートツール「Freeasy」にて、全国の18~64歳の現役世代の男女1000人に対してアンケートを実施。その結果を紹介する。
まず、第3位に選ばれたのは、高橋はるみ議員(71)。‘03年から4期16年にわたって北海道知事を務めた後、’19年の参院選で初当選を果たし、国政に進出。裏金問題では、22万円の不記載と、額としては大きくなかったが、知事時代に北海道の人口減少や道財政の改善に苦しんだことから、主に北海道民を中心に不信感が寄せられていた。
「知事時代、何もしていないから」(50代男性)
「地元だから」(30代女性)
第2位に選ばれたのは、杉田水脈氏(58)。’12年の衆院選で、日本維新の会から出馬し初当選を果たし、’17年と‘21年の衆院選は自民党公認で当選していた杉田氏だったが、裏金問題で1564万円の不記載が発覚。それによって党から6カ月の役職停止処分を受け、昨秋の衆院選には出馬していなかった。
今年3月に自民党は、参院選の比例代表で杉田氏を擁立することを明らかにし、衆院からの鞍替え選挙となる。
アンケートでは、こうした過激な発言を繰り返す杉田氏に対して、嫌悪感を抱いている人が多かった。
「政治家は総合的に判断したいので、裏金問題だけで、当選してほしくない、というつもりはない。彼女の場合、他にも色々と問題発言もあって、今回は選ぶことにしてみた」(60代男性)
「数々の失言・暴言でウンザリする。よく立候補したなと呆れる」(60代男性)
「ほかにもひどい暴言もあり議員の資質がない」(40代女性)
そんな杉田氏を抑えて第1位に選ばれてしまったのは、橋本聖子氏(60)。女子スピードスケートの選手として、’92年のアルベールビル冬季五輪で銅メダルを獲得するなど輝かしい成績を残した後、’95年の参院選で自民党から出馬し、初当選を果たし国政入り。これまで参院選で4度の改選を乗り越えているだけでなく、’21年の東京オリンピック・パラリンピックでは組織委員会で2代目会長を務めるなど、政界のみならずスポーツ界にも多大な影響力を誇っている。
しかし、そんな橋本氏の不記載額は2057万円と、今回の参院選に出馬が予定されている裏金議員のなかでは断トツのトップだ。これによって昨年4月に、党から1年の役職停止処分を受けたが、6月26日に日本オリンピック委員会(JOC)の新会長に女性で初めて選出されるなど、依然として強い影響力を保持している。
“スポーツマンシップ”からかけ離れた不記載額に対して、不信感を抱く声が多く寄せられた。
「元アスリートとしてのスポーツマンシップという言葉からは言語道断」(50代・男性)
「2000万を超える裏金、当選なんてありえない」(50代・男性)
「あまりにも金額が大きい。もともと元アスリートのネームバリューで票稼ぎの比例代表だから」(50代・女性)
果たして、国民はどのようなジャッジをくだすのか。