7月20日投開票の日程で行われる第27回参院選。3日の公示をもって17日間の選挙戦がスタートし、各地では候補者の訴えに有権者が耳を傾けている。
なかでも注目を集めているのが、このところ勢いを増す参政党だ。参院選の“前哨戦”とも位置付けられた6月の東京都議選では初挑戦ながら3人が当選する躍進を見せた。さらに、無所属で活動していた梅村みずほ参院議員(46)が6月28日付で入党し、同党が所属国会議員を5人以上必要とする政党要件もクリアし、代表・神谷宗幣参院議員(47)が各局の党首討論会に出演するなど、メディアの露出も増加している。
そんな神谷氏は参院選初日の3日午前、候補者応援のため、銀座4丁目交差点に登場。イメージカラーでもある橙色のネクタイを締めてマイクを握り、同党が掲げる反グローバリズムや減税策を提言すると、周囲では拍手が起こっていた。
続けて、日本経済の弱体化に伴い、人口減少が進んでいる現状を指摘。党として少子化対策にも積極的に取り組む方針を打ち出し、こう述べた。
「少子化にも、ものすごく力を入れていきます。今まで間違えてたんですよ、男女共同参画とか。もちろん女性の社会進出はいいことです。どんどん働いてもらえれば結構。けれども、子供産めるのも若い女性しかいないわけですよ。
いいですか。男性や、申し訳ないけど高齢の女性は、子どもが産めない。だから日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に “子ども産みたいな”とか “子どもを産んだ方が安心して暮らせるな”という社会状況を作らないといけないのに、働け働け、とやり過ぎちゃったわけですよ。やり過ぎたんです。だから少しバランスを取って、大学や高校を出たら働いてもいい。働くもいいし、家庭に入って子ども育てるのもいいですよと。子育てだけだったら収入がなくなるから、子ども1人あたり月10万円の教育給付金を参政党は渡したいと考えています」
神谷氏の発言を受け、全国紙や通信社、民放系メディアは「高齢女性は子ども産めない」を見出しにした記事を配信。この発言はXで一部の反発を招いたが、神谷氏は演説後の囲み取材で「60代、70代はむずかしい」として “生物学的な限界”を説明しており、3~4日に更新したXでは一部報道を《印象操作》と指摘した上で、《女性には出産適齢期というものがあることを全ての国民に周知しましょう》と述べていた。
ただ、神谷氏はその発言の前段で“男女共同参画は間違いだった”という旨を述べている。神谷氏は「働け、とやり過ぎた」としているが、女性の社会進出は依然として大きな課題でもあり、男女が自らの意思決定でどのような社会活動にも参加できる「男女共同参画社会」の理念を「間違い」だと断じる姿勢に、Xでは、
《子育て世帯への支援の拡大を主張するならそう言えばいい。
《少子化が進んでいるのは、男女共同参画のせいではなくて、その男女共同参画が進んでいないから》
といった疑問の声も一部で寄せられた。
なお、本誌は7月4日昼、参政党に対し「男女共同参画は間違いだった」という主張は党全体としての認識なのか、撤回する予定などはあるかを問い合わせたが、回答期日までに連絡はなく、その後も何度か問い合わせてみたが、回答は得られていない。