7月6日から8日間の日程でモンゴルを公式ご訪問されている天皇皇后両陛下。ご滞在3日目となる8日午前は、首都ウランバートル中心部にあるスフバートル広場で歓迎式典に臨まれた。

陛下と雅子さまは鎧を着た騎馬隊が並ぶ広場に到着すると、出迎えたフレルスフ大統領夫妻に笑顔でご挨拶。21発の礼砲が鳴り響くなか、陛下はフレルスフ大統領とともに儀仗隊の栄誉礼を受けられた。

広場の周りに集まった人々の中には両国の国旗を掲げる人もおり、近隣のビルには陛下と雅子さまの肖像写真が掲示されるなど、現地は歓迎ムードに包まれていた。

式典にはモンゴル側の招待者として大相撲元横綱の朝青龍、白鵬、日馬富士の姿もあり、陛下と雅子さまはそれぞれに声をかけられた。そんな和やかな懇談の間には、ポツポツと小雨が降りはじめていた。

この日、雨に降られた場面は式典だけではなかった。同日午後に、第二次世界大戦後にモンゴルで亡くなった日本人抑留者の慰霊碑に供花された陛下と雅子さま。降りしきる雨のなか、慰霊碑の前で深々と頭を下げられていた。

生憎の雨模様にも見えるが、天気が下り坂になるのは、モンゴルにとっては喜ばしいことのようだ。

式典後に報道陣の取材を受けた朝青龍は、陛下と雅子さまと会話したことを振り返って「本当にもう感無量です」と語り、「モンゴルでは雨は『恵み』。両陛下のパワーが天に伝わったのではないか」と大喜びだった様子。日馬富士も「本当に雨も降って、国民の皆様も大変喜んで、感激しております」と、語っていたという。

またXでも、陛下のモンゴルご滞在中に、雨が降ったことに感激する声が相次いでいた。

《陛下がモンゴルに訪問して雨……エンペラーウェザーって凄いな……》
《御即位の時にも雨降って見事な虹がかかったものな。天皇陛下はまた伝説を増やされたんだな》
《陛下がモンゴルに行ったら雨が降ったそうで。虹が出たり雨が降ったりやんだり、光がさしたり………奇跡みたいな光景って本当にあるんだな》

「モンゴルでは年間の平均降水量が400mm程度であることから、“賓客が訪れるときに降る雨は縁起が良い”と言われているそうです。陛下と雅子さまのご到着時にも雨が少し降り、7日に陛下がおひとりでモンゴルの上下水道公社やガチョールト水源を視察された際にも雨が降るという珍しい現象が続いたのです。

陛下と天気にまつわるエピソードは、過去にも注目を集めました。とくに印象的だったのは、’19年10月に執り行われた即位礼正殿の儀でのこと。直前まで荒天だったのですが、陛下がお出ましになる直前に雨が止み、空に大きな虹がかかったことが話題になりました。また、愛子さまも昨年3月に伊勢神宮の外宮を参拝された際、直前まで降っていた大雨が止むといった出来事がありました。

こうした事例から、陛下のモンゴルご訪問にあわせて雨が降ったことに、“奇跡”だと感じた人も少なくないようです」(皇室担当記者)

陛下は’07年の皇太子時代にもモンゴルを訪問されているが、歴代天皇として同地を訪問されるのは初めてのこと。ご到着後から降った雨は、“天皇晴れ”に匹敵するエピソードとして語り継がれることだろう。

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