「私は日本が大好きです!日本人が大好き!だから、心の底から、日本人ファースト!」
「明日、必ず勝利を手にして、私を皆さんのお母さんにしてください!日本人のために働くお母さんにしてください!」

参院選の選挙戦最終日となった7月19日、東京・港区の芝公園で行われた参政党のマイク納めで、声を枯らしていた新人候補のさや氏(43)。2万人以上が詰めかけた会場は異様な熱気に包まれ、さや氏は東京選挙区で2位当選を果たし、参政党も1議席から14議席の大幅増と躍進を遂げた。

選挙から一夜明けた21日、参政党の神谷宗幣代表(47)は東京・新橋で「凱旋街宣」を行い、「もう一回、大飛躍をさせてください。今度30議席とか取れば、衆参合わせて50。これぐらいであれば、政権や野党と組んで、法律や予算を作っていくところに手が届くと考えています」と早くも解散総選挙を見据え、支持者からも拍手喝さいが起こっていた。

そんななか、参政党の躍進に“NO”を突きつけた人物が。シンガー・ソングライター、ポエトリーラッパーの春ねむり(30)だ。春は22日に更新したXで、《参院選期間、あまりにもヘイトスピーチを聞きすぎて怒りがすごかったので爆速書きしました 聞け》と訴えると共に、制作したばかりの楽曲『IGMF』をアップロードした音楽プラットフォーム「SoundCloud」のURLを公開した。

楽曲ページで公開されたリリックには参政党への“アンチテーゼ”が散りばめられている。曲のイントロには、冒頭のさや氏による「お母さん宣言」の肉声がサンプリングされており、以降はさや氏や同党が掲げる「日本人ファースト」に対する以下のような痛烈な批判の言葉が並んでいる。

《ホラー映画より怖いさや》
《田母神が師匠なの納得 違反しまくる公職選挙法 違法外国人の話よりも あなたがまずするべき辞職》
《ていうかジャズシンガーなんだろ 歌で動かせなかった?人の心 今マイク持って煽る憎悪》
《あなたの街宣行ったよ そんであなたが「日本人ファーストは差別だとうるさい人たちも救う」って言ったの聞いてた 「誰かを排除してまで救われたくない」って思わず叫んだよムカつきすぎて》

参政党顧問でもある元航空幕僚長・田母神俊雄氏(77)は’16年に公職選挙法違反(’14年東京都知事選での買収容疑)で逮捕された過去があり、さや氏は田母神氏が’14年に東京都知事選に立候補した際に、“田母神ガールズ”の一員として応援要員を務めたことがある。

《違反しまくる公職選挙法》のくだりは、今回の選挙期間中に、さや氏の応援を表明していたホストクラブの関係者がXで、さや氏の顔写真や「さや」と記入された投票用紙のイメージ写真と共に、“投票証明書を初回無料引換券の代わりにする”という旨を投稿し、さや氏が《感謝でいっぱいです》とリプライしたことが、公職選挙法違反(買収)だとする指摘を招いたことを、田母神氏の逮捕歴と掛け合わせているとみられる。

また、さや氏は保守系メディアのキャスターを務めていたこともあり、“シンガーソングキャスター”という職業を自称しているが、元はジャズシンガー出身であることが彼女の公式HPでも記されている。

さや氏や参政党に対する怒りを滲ませた春の楽曲には、X上ではエールを送る人が。

《「春ねむり」のこの楽曲、参政党と「さや」をストレートに批判していて、凄いな》
《政治はロックなんだっけ?これも一つのロックだ。拡散しよっと》
《普段からいろんな社会問題にしっかり意見表明してて素敵やなと思ってたけど、これまたとびきりカッコいいことやってくれたなー》

いっぽう、以下のような指摘も見られた。

《さや氏に曲にするって許可取った?取る訳ねぇか?名誉毀損以前の問題だよね》
《これ、さやさん本人の許諾取ったの?取ってなかったら著作権法違反だよ!》
《だれ?炎上商法はダサい》

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