昨秋の衆院選に続いて自民・公明与党の過半数割れに終わった第27回参議院選挙(7月20日投開票)。6月の都議選でも、自民党は過去最低議席となり第一党から陥落しており、3連敗を喫した形だ。
昨年9月の自民党総裁選を制し、悲願のトップの座を掴んだ石破茂首相(68)だったが、就任1年経たずして、退陣論が吹き荒れることに。投開票日に厳しい情勢が判明するや否や、麻生太郎最高顧問が「続投は許さない」と発言したことが報じられ、党内のベテラン議員だけでなく複数の県連からも退陣を求める声が噴出。
7月23日には、一部メディアが“8月中に退陣する見通し”と報じたが、石破首相はその後のぶら下がり会見で「出処進退の話は一切でていない」と全否定した。とはいえ、“石破おろし”の動きはおさまる気配はなく、任期を全うするのは極めて難しい状況が続いている。
そして、自民党内で次期首相に向けた動きが進むだけでなく、萩生田光一元政調会長や佐藤勉元国対委員長ら党の重鎮5人が22日に会談し「自民党は一度下野すべき」という認識で一致するなど、政権交代の可能性も浮上してきている。
そこで本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」にて、選挙権を持つ全国18歳以上の男女1000人に対し、「野党で首相になってほしい党首」「野党で首相になってほしくない党首」についてアンケートを実施。本稿では、「野党で首相になってほしい党首」についての結果を伝える。
まず、第3位に選ばれたのは日本維新の会・吉村洋文代表(50)。
弁護士として10年ほど活動したのち、’11年に大阪維新の会公認で大阪市議選に当選し、その後は衆院議員を経て、’15年の大阪市長選で勝利。’19年からは大阪府知事を務めるかたわら、昨年12月には日本維新の会の代表にも就任した。
首長として開催中の大阪・関西万博誘致に向けて奔走、大阪都構想実現に向けて尽力し、日本維新の会代表としては、今回の参院選でも自らショート動画に出演して社会保険料引き下げを訴えるなど、発信力を活かした活動に定評がある。今回のアンケートでは、首長と党代表という2つの経験から吉村氏の活躍に期待する声が多く寄せられた。
《年齢も若く、知事や市町の経験があるのでなってもらいたいです》
《吉村氏の話は信憑性があり、信頼できる。社会保険料を引き下げるという党の政策も通してほしい》
《大阪知事としての行政運営の力があるので、国政もしっかりとした対応が取れるのではないかと思う》
《大阪において徹底した無駄を排除した手法を、政府でも実行してほしい》
第2位に選ばれたのが国民民主党の玉木雄一郎代表(56)。
東京大学法学部卒業後、大蔵省(現在の財務省)に入省し、’09年の衆院選で地元・香川から出馬し、政界入り。民主党が下野して以降は、民進党で幹事長代理、希望の党で共同代表を務めたのちに、’20年12月からは国民民主党の代表を務めている。
数年前からYouTubeチャンネルで政策について解説するなど、インターネットやSNSを積極的に活用しており、地道な発信が実を結びXのフォロワー数は本アンケートでの野党党首のなかでも断トツトップ。さらに、最近は物価高に対して、“国民の手取りを増やす”政策を力強く訴え続け、昨年の衆院選、今回の参院選でも大きく議席を増やすなど躍進が続いている。また、“大事なのは政策実現”という現実路線を徹底的に貫いていることから、昨年は不倫報道というスキャンダルに見舞われながらも、期待する声が多かった。
《手取りを増やす政策に賛成》
《この中で一番冷静で行動力もありそうに思えたので。偏った考えも少なそうに見える。
《不倫疑惑をものともせずに復活した強運にかけたい。減税を実行してくれそう》
《現実的な政策提案をしているから》
《経済効果が期待出来る政策がある。手取りを増やす事を実現してくれると思う》
そんな2人をおさえて第1位に選ばれたのは立憲民主党の野田佳彦代表(68)。
千葉県議を経て、’93年の衆院選で日本新党の一員として政界入り。民主党入党後は、国対委員長や幹事長代理といった要職を務め、’09年に民主党政権が誕生してからは菅直人内閣で財務大臣を務めた後に’11年8月末に民主党の代表選を制して、第95代内閣総理大臣に就任した。
しかし、民主党が大勝した’09年の衆院選で選挙公約に消費税増税を掲げていなかったにもかかわらず、野田内閣が消費税を推し進めたことから党内不和を招き、結果的に’12年の衆院選で民主党は大敗し、野田内閣は総辞職。その後、民主党は分裂、野田氏は’20年に立憲民主党に合流し、昨年8月の代表選を制して以降は党代表として与党を鋭く追及している。
中道保守的な政治スタンスで知られ、民主党政権時代に首相を務めた経験があることから、首相候補として推す人が多いようだ。
《首相経験があることで対応力が備わっていることと、 柔軟な考え方を持ち合わせているように感じられるから》
《消去法で首相経験者だから 民主党政権の時を思い出すと、いまの参政党や国民が政権をとったとしてもグダるだけだと思う》
《立憲民主党の考え方が自分に1番近いから。多様性を認めつつも、今大切に残さなければならない少子化問題、老後の問題、また原発はやらないほうが良いという考えが党首率いる考え方だと思えたから》
《野党第一党としての発言力、前回の政権を担った時の反省点を踏まえた活動に期待できる。良い意味でも悪い意味でも、首相経験があり、難しい局面だが真っ当に取り組むと思う》
果たして、13年ぶりの政権交代は起きるのか。