一日の最低気温が25度以上という熱帯夜が続いている。しかも、気象庁の予報によれば、8~9月も全国的に厳しい暑さが続くとのこと。
疲れを残さないためにも、どうにか質のよい睡眠を確保したいところだが――。
「快眠のためには、寝室を“眠ること以外は何もしない空間”にすることが理想です。寝床=眠る場所というイメージを脳に定着させることが大事。そのためには寝室には何も持ち込まないことが望ましい。また、読みかけの本や脱ぎっぱなしの洋服などが目に入ると脳は睡眠に集中することができなくなってしまいます」
そう話すのは、『不調・ストレスも撃退!老けない人の睡眠習慣』(大洋図書)の監修者で、睡眠を専門とする坪田聡医師(雨晴クリニック院長)だ。
坪田先生によれば、寝つきや目覚めの悪さが、寝室の環境に起因することは多いという。
「私たちの体は睡眠時に体温が下がります。その体温変化がスムーズにできるかどうかが睡眠の質を大きく左右します。夏は温度が25~28度、湿度は40~60%が理想ですが、快適な温度と湿度は個人差があるので自分に合った環境を保ちたいもの。
夏場は、快眠のためにはエアコンは朝までつけておくことが基本です。電気代が気になる人は、空気を循環させる扇風機などを併用すれば、エアコンの設定温度を上げて節電することができます」
温度と湿度のほかに“快眠のための寝室”をかなえるにはどんなことに気をつければよいのか。
【寝室は暗くしてお休みモードに】
人間は本来、夕方以降は暗い状態が快適に感じるもの。夕食後は照明を落とすことで体も自然と睡眠モードに。照明は暖色系がおすすめ。30ルクス以上の明るさ(リビングは100ルクス以上)だと睡眠の質が低下する。
【スマホは持ち込まない】
寝室は「寝るための空間」。脳への刺激を避け、体を休ませる場所とルール付けたい。スマホや本、マンガなどは持ち込まないように。
【エアコンの風を肌にあてない】
枕元や顔にエアコンの風が当たると、冷却ストレスにさらされ安眠を妨げることも。風向きを上にするか、サーキュレーターを置いて、空気をかくはんするなどの工夫を。
【掛けぶとんで寝床内温度を33℃に】
寝床の中は、温度33℃、湿度50%が理想。朝方の冷えを避けるためにも掛けぶとんを使おう。
【枕の高さをタオルで調整】
自分に合った枕を買ってもいいが、タオルで好みの高さを調整することも可能。横向きで眠るときは頭頂部~鼻~クビが、まっすぐの状態を保っているように。あおむけの場合は顔面が水平線より5度ほど傾いているのが理想だ。睡眠の質を高める「寝返り」がしやすいかどうかもチェック!
【熟睡のためには“ほぼ無音”】
寝室での音の強さが40デシベル(図書館レベルの静けさ)を超えると睡眠に悪影響が。無音に近いくらいが理想だ。どうしても避けられない雑音には、好きな音楽を流してかぶせる「マスキング」が有効。
【青系や緑系の寝室でリラックス】
寝室の色味も睡眠に影響を及ぼす。心身をリラックスさせる「ブルー」「グリーン」がおすすめ。メラトニンの分泌を促す「黄色」も好影響。
できるところから手をつけて、熱帯夜でもぐっすり眠ろう♪