元フジテレビの女性アナウンサー(以下、Aさん)とのトラブルをめぐる一連の問題で、元タレントの中居正広氏(52)が芸能界を引退して半年あまり。中居氏側は5月12日を皮切りに、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会(以下、同委員会)に反論を繰り返してきたが、騒動の行方を大きく左右しそうな新展開に注目が集まっている。
「同委員会が公表した調査報告書では、当事者間に守秘義務があることから事案の詳細は明かされなかったものの、中居氏による《業務の延長線上における性暴力》があったと結論付けられました。しかし中居氏側は、『「性暴力」という⽇本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されませんでした』などと反論。双方の主張に食い違いが生じ、憶測が広がった結果、Aさんに“中居氏を貶めた”といった誹謗中傷が寄せられる事態にまで発展しました」(スポーツ紙記者)
そんななか、8月6日配信の「週刊文春」電子版および同誌8月7日発売号が「中居正広 “性暴力”の全貌が分かった!」との見出しで、’23年6月2日に中居氏とAさんの間で起きたトラブルの内容を詳報したのだ。
記事によれば、同誌はAさんの代理人弁護士が作成し、中居氏に宛てた「通知書」を入手。通知書にはAさんが中居氏から受けた被害内容が詳細に記されていたといい、通知書の内容やAさんが相談していた複数の友人、仕事関係者への取材を元にトラブルを再現した描写が掲載された。また、中居氏とX子さんが事件当日から約2カ月にわたり、やり取りしたショートメールの一部も公開されている。
しかし中居氏の代理人弁護士は6日に発表した声明で、《記事に掲載されている「通知書」なるものは出所⾃体や真偽も不明なもの》と反論。
《記事にある「通知書」なるものに記載されている表現・描写、「不同意性交等罪に該当しうる性暴⼒であり、不法⾏為」等をはじめとした記載は、当職らの認識とは⼤きく異なるもの》と主張し、《この事案については⼀般的に性暴⼒という⾔葉から想起されるような⾏為ではなく、また不同意によるものではなかったものと、当職らは評価しています》と強調した。
さらにAさんの代理人弁護士に対しても、《週刊誌等の第三者媒体による情報開⽰が継続的に発⽣しておりますことは、極めて遺憾です》と苦言を呈している。
そうしたなか、6日中にAさんの代理人弁護士も中居氏側への反論文書を公開。
中居氏側が公表した声明文に対して、《あたかも被害女性であるAさんや代理人である当職が守秘義務に違反しているかのような表現がありますが、Aさんも当職も守秘義務に反する行為は今回もこれまでも一切しておりません》と主張。
その上で、《中居氏代理人らがこのような記載を含む文書を公表されたことは極めて遺憾です。
■中居氏のトラブルが新たな局面を迎えるも…沈黙を守るふたりの“応援団”
トラブルの具体的内容が報じられたことにより、中居氏側とAさん側の対立が激化しそうな勢いだが――。中居氏が再び攻勢をかけるいっぽう、これまで中居氏の問題に反応してきた“応援団”の動きは失速しているようだ。
まずその1人は、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(56)。中居氏にトラブルが報じられた直後からXで言及を続け、同委員会の調査報告書に対する問題点を指摘してきた。
5月14日放送の情報番組『旬感LIVE とれたてっ!』(関西テレビ)では、中居氏の代理人弁護士以外の関係者に「助言した」と語る場面が。トラブルについても「ちょっと把握しています。みんな、『これ性暴力なの?』って感じる人も多くなると思います」とし、「当日の状況を見てもらえれば、これだけ性暴力だとか、少なくともこれだけ社会的制裁を受けるような話ではないと感じる人も僕はすごく増えると思う」とコメント。
また関係者から伝え聞いた話として、「中居さんは当日の事実を全部しゃべりたいっていう気持ちがある」とも説明していた。
6月15日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)でも、中居氏の問題が取り上げられると、橋下氏は中居氏を代弁するようにこう語っていた。
「僕は中居さんから直接聞いているわけじゃないし、中居さんの代理人から聞いてるわけじゃないですけど、関係者から聞いている限りだと、中居さんは女性を傷つけたくないから、裁判まではやらない」
この放送翌日にはXで《中居氏に対する手続き的保障が不十分。いまだに中居氏に対して証拠を示さない》と同委員会を批判。
橋下氏と同じようにトーンダウンした人物として、中居氏と情報番組『中居正広の土曜日な会』(テレビ朝日系)で共演歴がある社会学者の古市憲寿氏(40)も挙げられるだろう。
「古市さんは中居さんが引退を発表した直後に出演した番組で、“真相がわからないから擁護もできないし糾弾もできない”と中立のスタンスをとっていました。同委員会が調査報告書を公表した際には、中居氏に対して“守秘義務を解除した方がいい”とコメンテーターとして意見を述べたことも。
しかし5月に入って中居さん側が反撃に転じた際には、同委員会の調査姿勢を疑問視するコメントをXに投稿。また『週刊文春』6月5日発売号に掲載された記事に対して、古市さんはAさんの代理人弁護士に8ページにもわたる『確認文書』を送付。その内容を同月12日にXで公開し、《看過できない誤認があったため、この質問状を出すことにしました》と記していました。
その6日後にはXで《別の角度からの取材や調査も進めています》とし、追って調査結果を発表することをアナウンス。さらに7月5日に更新したXでは中居氏側が同委員会に宛てた4度目の反論にも“攻めた内容”だと評価し、同委員会に“回答すべき”との見解を示していました」(芸能関係者)
しかしこれ以降、古市氏が中居氏に言及することはなく、予告していた“調査結果”も報告されていない。また、中居氏の代理人弁護士が“反論文書”を発表した際は、毎回Xで取り上げていたが、7日時点で一切触れていない。
「橋下さんは4月に出演した情報番組で、中居さんのトラブルについて“公表できなくても、しっかりと事実解明しないといけない”と主張し、同委員会が実施したヒアリングを批判。
どちらも真相解明にあたって同委員会の調査姿勢を問題視していたため、世間では“ふたりの意見を聞きたい”と望んでいる人もいることでしょう。しかし文春の記事に対して中居さん、Aさん双方の代理人弁護士が即座に声明を出すなど余波が広がっています。
橋下さんに限っては、橋下さんが文春の取材に対して一般論として出した“失恋事案”という言葉がネット上で独り歩きし、A子さんに誹謗中傷が寄せられているとも伝えられていました。そのため、ふたりとも自身の言動による影響を考慮して、無言を貫いているのかもしれません。しかし、なぜこれまで積極的に中居氏の騒動について言及してきた2人が最近全く何も触れないのは不可解ではありますね」(前出・芸能関係者)
実際、X上では文春の報道後、こんな声が。
《古市、橋下、中居正広の件でコメントないのか? 》
《古市と橋下は明確にコメントを出すべきでは。》
中居氏のトラブルが新たなフェーズに入ったいま、“応援団”だったふたりは何を思うか。