元プロレスラーで、格闘技界の“レジェンド”として呼び声が高い前田日明氏(66)。保守的な政治信条で知られ、過去には国政選挙への出馬が取り沙汰されたこともある前田氏だが、8月5日、自身のYouTubeチャンネルで「2025参議院選挙後 新保守の台頭から見える日本の展望」と題した動画を公開した。
今回の参院選では、昨秋の衆院選に続き、自民・公明の与党が過半数割れに沈む一方、参政党が1議席から14議席と躍進。非改選の1議席を合わせて15議席を確保し、予算を伴わない法案であれば単独で提出することが可能になるなど、存在感を増している。
前田氏は、「参政党とか15議席いったのはよかったですね。その他の新保守と言われるところが議席を取ったのはもっとよかった。でも本当はもっといったんじゃないか、という感じがするんです」と総括しつつ、「もっとすごいことが起こるでしょうね」と早くも次の衆院選への期待を語った。
続けて、参政党をはじめとする“新保守”勢力が評価を集めている背景について、「もう、本当の話をネットを通じて知っちゃったんですよ。選挙民が」と前田氏。国際情勢における日本の立ち位置、財政均衡論、国の特別会計に関する情報が広く知れ渡った結果だという。
そのうえで、前田氏は与党の大敗を「当然ですね、もっともっと減ってよかったはずなんですよ」と批評。ただ、国民民主党、日本維新の会など既存の野党については、「あの辺はダメですよね」と辛口だ。そんな前田氏が特に厳しい目を向けるのは、国民民主党の玉木雄一郎代表(56)だ。
前田氏は、玉木氏の財務省出身というバックグラウンドに触れ、「(自民党との)連立に入りたいんですよ」と分析。
「今回の選挙の前に、玉木氏と1時間ちょっとを超える動画を撮ったんですよ。2本に分けて。そのなかで、いかに日本がおかしくなったかという話をしたんです。食品の安全だとか、税制の矛盾だとか、プライマリーバランスとか。で、結局どうなったかというと、全部“ボツ”です。(理由の説明は)ないです。『党からの指示で出来ません』と。党の指示って、お前が党首じゃん。誰の言うこと聞いてんの。自民党、公明党にとって都合の悪い話を撮られちゃったんで、ボツなんですよ」
なお、前田氏は国民民主党から全国比例で立候補した須藤元気氏(47)と、公認が出る前に対談動画を撮影し、参院選前から波紋を呼んでいた、過去の須藤氏の新型コロナワクチンや原発稼働に対するスタンスに関する話は「気をつかってしなかった」というが、政策に関する話題は同党の“介入”でカットされたという。
なお、原発関連の政策をめぐって、自民党・国民民主党は推進の立場だが、前田氏は玉木氏に対し、「猛暑で、夜中になっても30度ということがある。
前田氏は、「一体、何を見て、何を言おうとして、どんな政治をしようとしてんの?もう、玉木氏は俺の中で信用ゼロですね」と訴えると、以下のように言い放った。
「あれは、ただのタマキンですよ。タマキン」
この発言は、「そこは、どうかなと思いますけれども」と撮影スタッフに流されていたが、最後まで不満げな表情を崩さない前田氏であった。