《何これ、 XJAPANに聞こえない? What’s this.. Doesn’t that sound like X JAPAN?》
8月8日に更新したXでこう呟いたのは、X JAPANのYOSHIKI(年齢非公表)。8月7日深夜放送の人気アニメ『ダンダダン』(MBS/TBS系)に登場した楽曲が、“X JAPANの楽曲に似ている”とファンに問いかける形で反応したのだ。
本作は龍幸伸氏を原作者とする同名作品をアニメ化し、幽霊の存在を信じる女子高生と宇宙人の存在を信じる少年が怪奇現象と戦うオカルト青春物語。’24年10月にアニメの第1期が放映され、今年7月に第2期がスタートしたばかりだ。HuluやNetflix、Amazon Prime Videoなど主要な有料動画配信サービスなどでも配信されており、海外でも高い人気を集めている。
7日放送の第18話では、“音を響かせる力があるバンド”として登場した「HAYASii」による楽曲『Hunting Soul』が劇中歌として披露された。ギターのアルペジオから始まり、激しいメタル調に展開する重厚なサウンドの楽曲で、8日にはYouTubeの「MBSanimation 公式チャンネル」でリリックビデオも公開。8日20時時点で48万回再生を超えるなど、反響が広がっている。
同曲の作詞・作曲・編曲を手がけたのは、ロックバンド・相対性理論のギタリストで著名ミュージシャンの永井聖一(42)。プロデュースは牛尾憲輔(42)、ボーカルは「HAYASii」のボーカルとして『Hunting Soul』を歌った声優の谷山紀章(49)、ギターにはマーティ・フリードマン(62)など実力派のアーティストたちによって制作された。
しかし、YOSHIKIは純粋に楽しめなかったようで、同曲の映像を添付したファンのアカウントをリポストするかたちで冒頭のように投稿。その20分後にはリリックビデオのURLを添え、自身のスタッフアカウントやX JAPANの公式アカウント、アニメの英語版公式アカウントなどをメンションし、こう問いかけたのだ。
《えー? この件何も知らないんだけど、こういうのってあり? ファンのみんな、何が起こっているのか教えて Huh? I don’t know anything about this, is this okay to do? My dear Fans, please tell me what’s going on》
さらに、《この制作チーム、事前に一言ぐらい言ってくれれば良いのに.. @XJapanOfficial/@Yoshiki_Staffから緊急って連絡が来た》と苦言。続く投稿ではショックを表す絵文字とともに、自身のYouTubeチャンネルでアップされているX JAPANの代表曲『紅』の映像を添えていた。
YOSHIKIは『Hunting Soul』が『紅』と酷似しているものの、使用許諾などの連絡がなかったことを問題視しているようだ。続く投稿では、《最初これを知った時は、なんだか面白くて笑っていたら、弁護士達からも連絡がきた 著作権侵害の可能性があるとのことで、どうなるのだろね みなさん、この手のものは、多分先に関係者へ連絡した方がいいみたいだよ》と明かしていた。
実際にYOSHIKIが指摘するように、『Hunting Soul』についてはネットでも《ここまで完璧な紅リスペクトになるとは…》《X JAPANの紅じゃん!? 令和の子は知らないだろうけどこのパロ大好き》といった声が続出。なお、YOSHIKIは同曲のリリックビデオのコメント欄でも、《え、、、これ、X JAPANみたいじゃない? ファンのみんな、どう思う?》と呼びかけていた。
YOSHIKIの訴えは、その後も続いた。
同日午後2時過ぎに更新したXでは、《The other ones, as far as I know, they contacted management / record label beforehand about clearance(編集部訳:私が知る限り、他のアーティストは、事前にマネジメント会社やレーベル会社に連絡を取って使用許可を得ていたようです)》とコメント。
続く投稿では、《ちなみに、X JAPANの「紅」の著作権はソニー・ミュージックパブリッシングが管理しています。作曲したのは自分ですが、私自身も、この曲を使用する際には自分でさえも許可を得ることがよくあります》と補足したのだった。
権利関係について適切な対応をすべきだと主張するYOSHIKIだが、一部からはこんな指摘も寄せられているのだ。
《ダンダダンはアニプレックス、そしてソニーの子会社なのに騒ぐ必要あるの?》
《YOSHIKIさんとダンダダンの件 ソニーアニプレックスだから 円満解決すると思います》
《ダンダダン紅のアレ アニプレだからソニーだし林さんが触れてなければ別に騒ぎにならなかったよな…?YOSHIKIは「これが本家や」ってアルバム出して、どうぞ》
「アニメ『ダンダダン』の製作委員会には、ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社である製作会社『アニプレックス』が入っています。ソニー・ミュージックエンタテインメントはYOSHIKIさんが指摘する『紅』の著作権を管理している会社の親会社でもあり、グループ会社内で確認をとれば済む問題ではないかと感じた人もいたようです。
そもそも『Hunting Soul』が公開された時点で、同曲が『紅』をどれだけ参考にしたのかは明確にはなっていませんが、X JAPANをオマージュしていることは一目瞭然。
ただ、こうした許可はあくまで“裏側”の話で、フォロワーが96万人を超えるアカウントで“弁護士から連絡がきた”などと大々的に明かすことは、“トラブルが起きているのでは?”と波紋を呼びかねません。SNSで発信する前に、弁護士などを通じて会社に確認をとることを優先した方が良かったのかもしれません」(WEBメディア記者)
ファンに投げかける形で今回の件を話題にしたYOSHIKIの対応に、X上でも疑問の声があがっている。
《ダンダダンのYOSHIKIさんの件は「裏でやってくれ」って思うなー 「ファンのみんなはどう思う?」じゃないんよ 裏で粛々と決着つけてくれよ》
《あとから怒ってるわけじゃなくて~って言い訳してるけど、「みんなどう思う?」なんて周囲を煽る・ファンネル飛ばすようなツイートしてる時点でyoshikiって人はダセェなと思うよ。 問題だと『本人』が感じたならTwitterでどう思う?なんて聞いてないでさっさと制作元に連絡入れればいいのに》
《YOSHIKI氏がお声掛けなく作品にも納得がいかないのならば疑問を呈するのは致し方ないとしてもそれは制作に直接訴えるべきで先にファンへ意見を求めるやり方はいかがなものか?と残念な気持ち》
その後、権利関係について確認がとれたかどうかは定かではないが、YOSHIKIは『Hunting Soul』を好意的に受け入れているようだ。
YOSHIKIの最初の投稿に反応したマーティ・フリードマンの《Yes, my band and I did it out of love and repsect for X Japan!(編集部注:はい、私のバンドと私はX JAPANへの愛と尊敬を込めて演奏しました!)》との投稿に、《また一緒にセッションしましょう!》とリプライ。続く投稿でも、《今気づいた!これって俺の林かな?笑 ”TV Anime “DAN DA DAN“ HAYASii” アニメ見たくなってきた》とゴキゲンな様子だった。
著作権などの問題はクリアになったということだろうか?