夏のサンダルは、足元をきれいにみせてくれておしゃれだが、いっぽうで、素足で履くことから、靴擦れなどのリスクをはらむ。指先や足首が擦れて痛い思いをしたことのある人は多いだろう。
そんなトラブルを解決して履き心地を各段によくする摩訶不思議なグッズがあるという。家具や家電などの下に敷く、100円ショップでも買える「耐震マット」だ。粘着性のあるゲル状の素材で、物にピタッと貼り着き、摩擦を軽減する特性をもつ。
この粘着ゲルマットを足に貼って滑り止めにすることを思いついたのが、きこうカイロ施術院・院長の高田祐希さんだ。
「私自身、O脚、扁平足の下半身太りで長年悩んでいました。それだけにヒールのある靴を履くと指先に圧がかかって、擦れて痛いし、血だらけになるしで苦労しました。ですが、女性は冠婚葬祭などヒールを避けられない場面があり、試行錯誤のうえに見つけたのが耐震マットだったのです」
■100均の“耐震マット”で踵が安定し驚くほど快適!
初めて使ってみたときの衝撃は忘れられないという。
「強い揺れにも動じず重たい家具を支えるのだから、試しに自分の足につけてヒールを履いてみたんです。そうしたら、インソールに足裏が密着することで踵が安定。それにより靴と皮膚の摩擦が生じにくくなるので、痛みも感じませんでした。驚くほど快適だったんです」(以下、高田さん)
靴擦れの解消だけでなく、耐震マットには、正しい歩き方をサポートしてくれるというメリットも。
「踵を安定させて歩けるようになったことで、歩行時の重心が自然と正しい位置に。
■マットとテープタイプを部位によって使い分け
このように、効果が満載の耐震マットの使い方を紹介しよう。
耐震マットの素材は粘着性のあるゲル。あらかじめカットされているマットと、自由に長さをハサミで切って調整できるロールテープの2つのタイプがある。さらに厚さは0.8mmから5mmまでさまざま。靴擦れしやすい箇所や、靴に合わせて選ぼう。靴が大きいため、中で足が動き擦れる場合は厚いマットを。逆に窮屈で皮膚が擦れる場合は薄いテープタイプを選ぶとよい。また、靴擦れのタイプによって貼る位置が重要だという。
■ヒールの場合、ゲルがストッパーになり指先が痛くない
「ヒールの場合、つま先に重心がかかり圧迫されることが、靴擦れの原因に。そこで、踵骨から土踏まずにかかる箇所、自分で心地よいと感じる部分のインソールに粘着ゲルを貼ります。そうすることで、ストッパーの役割となり、足が前方にズレるのを防ぐことができるのです」
実際に記者も高田さんから教えてもらった方法を、いくつかのタイプの靴で試してみた。
まずは先がとがったポインテッドトウのミュール。歩くと、いつも指先が痛くなるのだが、粘着ゲルを貼って歩いたところ、足裏がインソールに密着し、踵が安定して歩きやすくなっていた。足が前にズレないので指先にも圧がかかりにくく快適だ。
靴の甲部分に隙間が生じる場合は、薄めの粘着ゲルを甲部分に貼っておくと、靴擦れ予防になる。
■足首の靴擦れには、踵の上からインソールにかけてゲルを貼る
踵が覆われたサンダルやヒールは、素足で履くことで足首周辺に摩擦が生じやすい。特に革覆だと皮膚への負担は強い。そこで、踵の上の部分からインソールにかけて粘着ゲルを貼ることで、踵がパカパカ動かず靴に密着し、足首の擦れを予防できた。
■ビーチサンダルの鼻緒にくるっと巻く
鼻緒のついた草履やビーチサンダルは、親指と第二趾の間が鼻緒に当たり、皮膚が擦れて痛みを生じやすい。そこで、カットした粘着ゲルを鼻緒に巻いてカバー。ゲルが柔らかく肌に密着して、鼻緒との擦れを予防してくれる。
■外反母趾と靴との接触面も保護してくれる
外反母趾の人は親指のつけ根の飛び出た部分が靴に触れると痛い。骨が出た部分に粘着ゲルを貼り、その上からストッキングや靴下をはいてずれないよう固定する。
■洗って繰り返し使えるのでコスパも最高!
このように素足で履く靴のさまざまなトラブルを予防・解決してくれる粘着ゲルマットとゲルテープ。肌に触れるので、使い捨てなのかと思ったら、水洗いが可能なうえ、洗った後は自然乾燥させることで粘着力を保つことができるという。衛生的なうえ、コスパ面でも文句なしだ。
「私自身、粘着ゲルを使うようになってから、足裏のアーチができて、正しく歩けるように。それによって長年の悩みだったO脚や下半身太り、膝痛まで改善しました。靴擦れの痛み止めのつもりで使い始めた耐震マットでしたが、至れり尽くせりだったんです!」
高田さんの元を訪れる患者さんたちの足のトラブルは、ほぼ全員改善しているのだとか。靴擦れを恐れず、夏のおしゃれを楽しもう。