8月18日、“オペラ芸人”として活躍していたミッチェル(本名:栗林美智瑠)さんが子宮体がんのため亡くなった。47歳だった。
ミッチェルさんは高校と大学で声楽を学び、卒業後はオペラを中心に幅広いジャンルの歌手として活躍。そして’19年にはオペラをより面白く伝えていけたらという思いで、40歳にしてNSC(吉本興業の養成所)に入学。その後は芸人として、『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(フジテレビ系)に出演したり、コンビを組んで「THE W 2022」や「M-1グランプリ2022」に出場したりしていた。
そんななか’24年3月、ステージIVBの子宮体がんと診断されたことを公表。以降はSNSを通して闘病生活について綴っていた。
「ミッチェルさんは病名を知らされたのと同時に『手術をしても5年生存率は20%です』と医師から宣告されたそうです。当初は大変なショックを受けたものの、『この20%にあなたがなればいいんですよ』とも言われ、前向きに闘病しながら活動を続けることにしたといいます。
その後、手術を経て抗がん剤治療を受けたのですが、治療によって体力や時間が奪われることに。そうして仕事を休むのを辛く感じてしまい、『オペラの現場にいたい』という気持ちの強さから抗がん剤治療を止めたそうです。医師からは『続けたほうがいい』と言われたそうですが、『自分らしい生き方をしたい』と伝え、最終的に気持ちを汲んでもらったと聞きました」(お笑い関係者)
7月8日と9日に千葉県立幕張総合高等学校シンフォニックオーケストラ部の演奏のもと、2日連続でソプラノ歌手としてステージに立つことになっていたミッチェルさん。8日は歌声を披露できたものの9日は断念し、その無念さを同月27日、Xにこう綴っていた。
《9日、本番前に病院に行って検査をした時にはあり得ない数値の山だったようです。
その後、体調が悪化していったようで、8月2日には《体調の変化が半端ない。なかなかシビアなんだなって、あらためて理解してる》と投稿。4日には食べたかったジェラートを食べることができたと喜びを綴ったいっぽうで《高熱出したり痛みが酷かったり》と病状の深刻さを明かしていた。
そして8日、ミッチェルさんの“最後の投稿”には、こう綴られていた。
《痛みが酷くて気力がない。薬を飲んでも効かないほど、リンパ浮腫の洗礼を受けてる。それでも食欲はあるから、有り難い》
この投稿に対して《リンパ浮腫って、薬飲んでも効かないんですか?》という声が寄せられたところ、ミッチェルさんは《ありがとうございます。もうお医者さん的にもリンパ浮腫は方法がないようで、強い痛み止めで軽減させている状態です》と返答。
また、《リンパ浮腫の酷い痛みの中でコミュニケートし続ける勇気は偉いです》とリプライに対しては、感謝の言葉とともに《痛くても、こうして前向きに皆さんと繋がっていれるの嬉しいです》と答えていた。
闘病の苦しみを綴った投稿から10日後に亡くなったミッチェルさん。Xでは多くの悲しみの声が寄せられている。
《ミッチェル…早すぎるよ…本当に悲しい。心よりご冥福をお祈りいたします》
《ただただ悲しい お悔やみ申し上げます 大好きなカルメン歌いまくってください》
《ミッチェルさん亡くなったのか…ショックだわ 最後の出演、聞いてました、元気もらってました あんなに明るくてパワフルな声を聞いたばかりなのに、信じられません》