8月30、31日に放送された日本テレビ系の恒例番組『24時間テレビ48 -愛は地球を救う-』で、チャリティーマラソンランナーを務めたSUPER EIGHTの横山裕(44)が総走行距離105キロを完走した。満身創痍でゴールした横山の姿に心を打たれた視聴者も多かった反面、そ“直視すべき事実”が今もなお波紋を広げている。

ゴール直前には、サプライズで待ち構えていたSUPER EIGHTのメンバーらに励まされ、横山が涙を浮かべながら放送時間内にゴールを果たし、感動のフィナーレを飾った。

’23年11月に明らかになった、日本テレビ系列の日本海テレビ社員による募金着服騒動によって、一時は番組の存在意義も問われる事態となったが、「マラソン子ども支援募金」は番組終了時点で7億40万8600円。昨年、児童養護施設で暮らした経験のあるやす子(27)が初めて「目的別募金」の『全国の児童養護施設に募金マラソン』を行って5億円以上を集めたが、それを2億円以上も上回る額となり、不祥事の影響を感じさせない結果となった。

「横山さんは、今回のマラソン出場にあたり、壮絶な生い立ちを明かしました。横山さんが3歳のときに母親が離婚、5歳の時に再婚し2人の異父弟ができましたが、家計が厳しく、横山さんは中学卒業後に建設会社で働きながら、ジャニーズJr.として活動することに。

さらにその後、母親に胃がんが見つかった後に再び離婚し、経済的な困窮から、2人の弟は、一時的に児童養護施設で生活していたこともあったといいます。闘病の末、母は横山さんが29歳の時に亡くなりましたが、横山さんは2人の弟の生活費や学費などを1人で背負ってきたそうです」(スポーツ紙記者)

子どもの貧困問題について、「僕が走ることによって知ってもらうだけでも意味がある」として、マラソン出場を決めた横山。ゴール直後には、がんで早逝した最愛の母に向けて「おかん、俺やったぞ!」と語りかけ、視聴者の涙を誘った。

横山のもともとの人気に加え、明かされた壮絶な生い立ちも手伝って、横山さんへの支持が高まり、募金も過去最高額を記録。事故もなく大団円で終わった『24時間テレビ』だったが、やはりマラソンへの“抵抗感”は根強いようだ。

X上では放送終了後からこんな声が相次いで寄せられている。

《横山さんはすんごく頑張ったし、7億円も賛同の募金が集まったのは紛れもなく横山さんの努力があってこそです。

が、日テレはもう真夏のチャリティーマラソンは止めて欲しい。これを美談にしないで。最後とか本当に見てられなかったよ…氷のうすぐに当ててふかふかの椅子でかき氷食べさせたかったよ》
《DayDay見ながら、改めて横山さん本当にカッコよかったなって 24時間マラソンもう二度とやらないでほしいし横山さんの事も美談にしてほしくないけど、こんなに沢山の人が心を動かされて募金してくれたのは横山さんだったからで、このマラソンは横山さんにしか出来ないことだったんだろうなとも思う》
《酷暑のなかの24時間テレビのマラソン企画をやめてほしい 横山くんやサポートしてる人たちを危険にさらして安全第一もないよ 絶対に美談にしないでほしい》
《今回横山さんが完走できたことを美談にしないでほしい こんな酷暑の中やることじゃない 今回はたまたま横山さんだから番組として成立しただけ 本来やるべきじゃない 見てる方は気が気じゃない 季節をずらすかマラソンじゃないものにするかしないと今の夏じゃいつか死人が出る》

というのも、24時間テレビのチャリティマラソン企画には、かねて根強い“不要論”が唱えられ続けてきた。

「リニューアルした’92年以降、マラソン企画は毎年実施されており、これまで錚々たる顔ぶれがランナーを務めてきました。ただ、地球温暖化の影響によって、年々気温があがっており、24時間かけて長距離を走るというただでさえ過酷な企画だけでなく、熱中症のリスクもますます高まっています。

例年通り、横山さんは走り切りましたが、満身創痍であることは一目瞭然でした。今年のマラソンがスタートした8月30日は、東京都心でも歴代5位の最高気温の38.5度を観測しており、非常に過酷な環境でした。結果として、命の危険などはなかったものの、今後さらに状況が厳しくなる可能性はあり、いつ深刻な事態が起こってもおかしくありません。マラソン企画そのものが悪ということではなく、実施時期や走る距離などを見直すタイミングが来ているのではないでしょうか」(テレビ局関係者)

こうした目を逸らせない事実から“美談”だけで終わらせないことが求められている。

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