「反ワク支持者は切り捨てられる？」豊田真由子氏　参政党役員に就任も、ワクチンめぐる“真逆”の主張に寄せられる疑問の声

「参政党をより大きな党にしていきたいということで、豊田さんにご快諾をいただきまして、こちらから頼んで、ボードメンバー、政調会長補佐というかたちでお願いする運びになりました」9月8日、参政党の神谷宗幣代表（47）は都内で開いた定例記者会見で、元衆院議員の豊田真由子氏（50）が同党のボードメンバー（役員）、政調会長補佐に就任したことを発表した。自民党所属の衆議院議員時代の’17年6月、豊田氏は『週刊新潮』で秘書に対するパワハラが報じられ（同年8月に離党）、同年10月の衆院選に無所属で出馬するも、落選した経歴を持つ。神谷氏は会見で、豊田氏の過去について、「一回トラブルがあったからといって、政治生命が終わるのはよくない」とコメント。豊田氏も、「8年前、私は本当に大きな失敗をいたしまして、本当に申し訳ない思いで、人生も壊して、ゼロから自分の至らなさ、未熟さを恥じ入りながら生きてまいりました。こうした反省の上に立って、ゼロからのスタートを頑張らせていただきたいと思っております」と決意を新たにしていた。神谷氏によると、現状、豊田氏を国政選挙の候補者として立てる計画はなく、あくまでもスタッフとして招き入れたという。豊田氏には元国会議員、そして元厚労省官僚というキャリアがあり、そのスキルを買って「政策立案」に期待を寄せているというのだが……。Xでは会見直後、豊田氏と参政党の“相性”をめぐって、こんな指摘があがった。《どんどん矛盾を突かれるだけなのになぜ豊田真由子を迎え入れたのか。ワクチンに関しても真逆の立場だと思うのだが》《ネトウヨや陰謀論や反ワクみたいな支持者は、いよいよ切り捨てられて行くのでは？》《公衆衛生を学び、元厚労省で、ワクチンにも豊富な知識がある方なので、反ワク政党に行くのは意外だわ 自身の強み潰す行為に見える》というのも、新型コロナワクチン、感染症対策をめぐって、これまでの豊田氏の主張と参政党が掲げる政策に、“ズレ”があるという。「参政党といえば、最近こそワクチンに関する過激な発言が聞こえてこないものの、’22年には現所属参院議員の松田学氏（67）が『ワクチンは殺人兵器』と主張するなど、いわゆる『反ワク政党』として注目を浴びてきた側面があります。いっぽう、豊田氏といえば、名門・ハーバード大学院で公衆衛生学の理学修士号を取得、’09年にWHOが新型インフルエンザのパンデミック発生を宣言した際には、厚労省の官僚として外交に当ったその道の“プロ”です。コロナ禍は各メディアでコメンテーターとして、自身の経験や科学的根拠に基づいた見解を述べるなど、少なくともワクチンを否定するような立場を取ったことはないでしょう。その上、豊田氏は今年6月8日に放送された『そこまで言って委員会NP』（読売テレビ系）で、WHOで全会一致で採択された感染症対策強化の国際条約『パンデミック条約』に賛成と述べていましたが、参政党は7月の参院選の公約として『パンデミック条約反対』を掲げています。入党に際し、どのような話し合いが行われたかはわかりませんが、神谷氏は“データやエビデンスに基づいた政策立案”を豊田氏に対して期待しているのとのこと。ワクチンをめぐる経緯だけを辿れば、まさに水と油な両者ですが、参政党としては、一部でたびたび指摘されてきた“反科学”的なイメージを払しょくする狙いがあるのかもしれません」（全国紙政治部記者）豊田氏の入党は吉と出るか……。石破茂首相（68）の退陣に伴い、自民党新総裁体制の下で衆院解散総選挙が行われる可能性も取りざたされるなか、支持者のあいだでも豊田氏の力量に期待する声が上がっている。いっぽう、一部ではこんな反応も寄せられている。《そこまで言って委員会とかの言動観てるとWHO寄りの意見なのが気になったりした》《そして厚労省へのワクチン問題の追求に参政党の足枷になるのではと思います》《豊田さんはとても優秀な方だと思いますが、コロナ政策やワクチンについて参政党の方針とずれがあるのではないかという心配があります》「政府のコロナワクチン政策に疑問を持ち、参政党を支持していた人のなかには、豊田氏の入党に抵抗を覚える人も当然いるでしょう。このように党の方針に支持者が振り回されたパターンといえば、最近では国民民主党の例があります。同党は7月の参院選に元国会議員の須藤元気氏（47）を擁立しましたが、須藤氏の原発活用や新型コロナワクチン接種をめぐる過去の発言が、党の方針と相いれず、支持者から猛反発を受けたことがありました。同党の玉木雄一郎代表（56）は須藤氏と、党の方針に従う『確認書』を交わしたと支持者に説明していましたが、神谷氏の場合も、支持者に対する説明責任があるのではないでしょうか」（前出・政治部記者）なお、豊田氏は会見でこうも語っていた。「私は厚労省で長年仕事をしておりまして、ジュネーブのWHOでは、日本政府の担当外交官として仕事もしておりました。なので、参政党ということに疑問をお感じになられる方もいらっしゃるかもしれません」それでも、豊田氏の登用に踏み切った神谷氏。今後、本人の口から、具体的な説明があるのかもしれない。