悠仁さまの成年式の儀式に臨まれた後、新幹線に飛び乗るようにして愛子さまが向かわれたのは新潟県。「防災推進国民大会2025」に参加されるためだ。
「翌7日には、能登半島地震で被災した高齢者や障害者への支援を題材にした発表をご聴講。8日には2004年の新潟県中越地震で全村避難を余儀なくされた山古志村(現・長岡市)の復興交流館を視察されました。
防災推進国民大会は内閣府などが主催し、行政、企業、教育機関のほか、愛子さまのご勤務先である日本赤十字社(以下、日赤)も参加する、国内最大級の防災イベントです。
発表を聴講された愛子さまは熱心にメモを取りながら聞き入っておられ、“災害に直面する国民とともにある”ことをライフワークとして臨まれる覚悟に満ちていたようにお見受けしました」(宮内庁関係者)
新潟県へのお成りに先立ち、愛子さまはご活動をさらに拡大していく次なる一手を打たれていた。本誌9月2日発売号でも報じたが、宮内庁が発表した令和8年度予算の概算要求に、愛子さまの専属職員を増員するための項目が盛り込まれていた。
来年度から、愛子さまを担当する侍従職の職員を、現在の1人体制から3人体制とすることになったのだ。いったいどういった人員が増えることになるのか。
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう語る。
「平成元年に天皇皇后の非公式なお出ましや、清子内親王(当時)のお出ましを担当する庶務第二係が侍従職に新設されました。今回の増員はこの庶務第二係か、または新しい係を作って、そこに配属する行政職の事務官のようです。
愛子内親王殿下専属の事務官を増員したいという予算要求は、今後、公務の幅を広げていくという宮内庁の姿勢の表れです」
今年の愛子さまは、平日は日赤でのお仕事に加え、宮中行事や祭祀にも臨み、土日も公務に臨まれている。
■刷新された体制で地方ご公務が急増
体制の刷新で、地方ご訪問の機会がさらに増えていくことになるという。
「専従職員たちは、愛子さまが訪問される自治体、団体などとの調整を担うこととなります。人数が増えれば、愛子さまが望まれる地方での行事へのお成りやご視察、人々との交流の場を増やすことへの対応がスムーズになります。防災推進国民大会のように、定期的に地方で開かれるイベントに臨まれることが増えるでしょう。
さらには、日赤でのお仕事とも関連する災害救助や救命医療、福祉などの分野に関する行事については、地方で開催された場合でも出席しやすくなると、愛子さまも職員の増員にお喜びになっていると伺っています」(前出・宮内庁関係者)
専従職員が増えたことで、愛子さまは被災した人々に寄り添うためのご活動をもっと増やしていきたいとお考えのようだという。皇室担当記者はこう話す。
「近年、大地震や津波、豪雨による水害や土砂災害が日本で頻繁に起こっています。被災地を訪れ、傷ついた人々を勇気づけることは、皇室が大切にされてきた使命です。
愛子さまも大災害が起これば、すぐにでも駆け付けたいというご覚悟を固められているはずです。専属職員らと力を合わせ、被災地へ急行できる体制づくりは悲願でもあったのです」
皇室における被災地へのお見舞いは、能登半島地震、東日本大震災などでも、天皇皇后両陛下が始められた後に、皇族方が続く形で行うのが慣例となっていた。
「両陛下の行幸啓には、現地での交通手段の確保や警備上の理由から、被災自治体に一定の負担がかかるほか、雅子さまのご体調のコンディションも踏まえて、お見舞いが実施されるタイミングは慎重に選ばれています。
しかし愛子さまならば、両陛下ほどの体制でお成りにならずともよく、“名代”に近い形で、天皇ご一家を代表してお見舞いを行われることも、今後は可能になっていくでしょう。また過去にも能登半島地震の際には秋篠宮さま、東日本大震災では久子さまが、それぞれご自身が名誉総裁を務める団体の活動の延長線上で、被災した自治体をいち早く訪問されています。
専従職員の増員により愛子さまのご活動の幅が広がれば、天皇ご一家が被災者を励ます機会を、より増やしていくことにもつながるのです」(前出・皇室担当記者)
長年皇室番組を手がける放送作家のつげのり子さんは、愛子さまによる被災地お見舞いに、こう期待を寄せている。
「これまで皇室の方々が行われてきたなさりように加えて、愛子さまは新しいスタイルの被災地支援を打ち出されていくのではないかと思っています。
近年、災害の被災地に入るボランティアや、介護に従事する人たちが減少している傾向にあるという調査もあります。ご就職後、愛子さまはボランティア支援についての知識を深められています。
より多くの人が災害発生時のボランティアとして参加してもらえるよう、さまざまな団体を励まし、活動に携わる人々へとお言葉をかける機会を作っていかれるのではないでしょうか」
ついに結成された愛子さまの“特命チーム”――。不幸にも涙する被災者がいれば、愛子さまは全国どこへでも駆け付け、寄り添われるのだろう。