8月下旬の午後、横浜市内でドラマの撮影に臨んでいたのは沢口靖子(60)だった。猛暑のなか、白いスーツを着ていた彼女だが、さすがに移動中には上着を脱ぎ、スタッフに日傘をさしかけられていた。

沢口が10月期の連続ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(フジテレビ系)に主演することがスポーツ紙などで報じられたのは、この横浜市でのロケから1週間ほどたったころ。

「沢口さんにとっては、デビュー41年で初めての“月9”出演となります。彼女が演じるのは、警視庁内からスペシャリストを集めた『情報犯罪特命対策室』の刑事・二宮奈美。特殊詐欺やサイバーテロなど情報犯罪などに立ち向かうそうです。

沢口さんといえば、近年では『科捜研の女』(テレビ朝日系)の榊マリコのイメージが強いと思います。『科捜研』は’99年の放送開始から四半世紀続く国民的長寿ドラマで、沢口さんにとっても41年間の女優キャリアのうち25年を費やしてきた代表作にして当たり役ですからね。

それだけに、次のドラマ主演作が科捜研シリーズとは別の作品で、しかもテレ朝ではなくフジの月9に出ると発表されたときには、業界に衝撃が走りました」(テレビ誌ライター)

沢口は、二宮奈美の役作りのために髪を最長で6センチもカットしたという。

「沢口さん自身は、“刑事としてあまりお手入れに時間がかからず、出かける支度も素早くできるショートがいいかなと思いまして”と説明しています。科捜研のマリコは白衣がトレードマークでしたが、絶対零度の奈美は基本的にスーツで活動するようです。

広い意味では“警察ドラマ”という同じジャンルなだけにマリコと奈美を差別化するために、さまざまな工夫をこらしているのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

絶対零度では、沢口がアクションにも挑戦するようだ。本誌が目撃したロケ現場では、アクション指導の担当らしきスタッフと沢口が、入念にリハーサルを重ねていた。凶器を持って襲ってくる男性を、投げ飛ばすというシーンだった。

「『科捜研』の劇場版では沢口さんがワイヤーアクションにも挑戦していますが、榊マリコは、シーズンを重ねるごとに、冷静沈着なキャラとなっていました。『絶対零度』の奈美は、それとは異なる“熱血キャラ”のイメージを強めていきたいのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

還暦で熱血アクションヒロインへ――。沢口靖子の大変身が、この秋、始まる。

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