エアコンの電源を切って外出したとき、朝起きたとき、キッチンの排水口付近から生臭いニオイが漂う……。こういった経験はないだろうか。
それらに効果的だというのが、“氷”だという。
「どの家庭にもある『氷』が、この時季のニオイやぬめりに効果的です。研磨効果やニオイを吸着する特性を活用すると、あらゆるところの掃除に役立ちます」
こう話すのは、ハウスクリーニングアドバイザーで、薬剤師でもあるりんごさんだ。
たかが氷と侮るなかれ。その活用法は多岐にわたる。画像にある表を見てほしい。
「排水口には細菌がたくさんいて、特に気温の高い時季は繁殖が活発になり、イヤなニオイの原因となっています。時間が空くタイミングで氷をたくさん入れておけば、排水口の温度が下がって菌の繁殖をある程度抑えられます」(りんごさん、以下同)
記者も早速実践。就寝前にキッチンの排水口に氷を入れてみた。朝には氷は溶けきっていたが、受け皿はかなり冷たくなっていて、ぬめりも気にならない。
一般的な大きさの氷だけでなく、水筒用に作っておいた「体積の大きい氷」も一緒に使用したところ、やはり、大きい氷のほうが溶けるスピードはゆるやか。効果が持続しやすくなったように感じた。
■しつこい汚れには氷の上から重曹を!
「浴槽の排水口は、氷と重曹のW使いが◎。重曹はアルカリ性で酸性の皮脂汚れや湯あか汚れに効果があるので、氷の上に振りかけておけば汚れも落ちやすくなります」
よりニオイが気になる箇所には「氷+クエン酸」が効果的だ。
「クエン酸は、アルカリ性のニオイ成分を取り除きやすくする効果があり、雑菌の繁殖をおさえる抗菌作用もあります」
特にトイレなど、ニオイがこもりがちな場所で活用したい。
「クエン酸を使った掃除ですが、その前後で『塩素系洗剤』を使用するのは絶対に避けてください。クエン酸は塩素系の洗剤と合わさることで、有毒ガスが発生するおそれがあります」
排水口の掃除にキッチン用ハイターなどの塩素系漂白剤を使用する人も多いが、こちらもNG。直前・直後は避けるようにしよう。
振りかけるだけでなく、「クエン酸を溶かした水を凍らせる」という使い方もある。
「冷凍室からイヤなニオイがした経験はないでしょうか。
できあがったクエン酸氷は排水口に捨てれば、ついで掃除もできて一石二鳥。「自動製氷機」付きの冷蔵庫で、冷凍室に入れられる製氷皿がない場合は、冷凍可能なタッパーなどでも代用可能だ。
また、氷はフライパンやホットプレート、たこ焼き器の焦げ取りにも使えるというから驚き!
「熱くなった鉄板と氷の温度差によって焦げが浮きやすくなります」
鉄板をゴシゴシこすって傷める心配もなく、焦げ取りがラクにできるのでぜひ実践してほしい。
「氷を使うときは必ず電源を抜いてから。急激な温度変化は材質によっては傷める可能性があるので、少し粗熱がとれてから行いましょう。やけどにも十分注意を」
ほぼゼロ円で試せる“氷掃除”を活用し、イヤなニオイや汚れ知らずでキレイをキープしよう。