「私たちは、ごく平均的な収入の共働き夫婦。高校生と中学生の娘の子育てにはお金がかかりますが、平均月13万円ほど貯金や投資に回して、資産を4年で1千万円に増やせたんです」

こう語るのは、Instagramで家計管理術を発信している、なみさん(41)。

もともと節約体質で、自称“ケチ”だったという。

「お金は使わないのが正義という思い込みがあり、ショッピングセンターで子どもが200円のポップコーンを食べたがっても『ダメ』と一言。夫に『そのくらい買ってあげれば』とあきれられるほどでした」(なみさん、以下同)

過度な節約沼にハマり込み、夫とギクシャクすることも。

「『せっかくだからボーナスで何か買おうよ』と言う夫と、ボーナスは全額貯金したい私とで、いつももめていました」

そんなとき、SNSで「お金は使ったほうが貯まる」というメッセージに衝撃を受ける。試行錯誤を重ねて、ストレスなく“1千万円貯める方法”を編み出したのだ。

その極意とは!?

「給料振り込みに指定されている銀行を“入る”、住信SBIネット銀行(以下SBI銀行)の口座を“使う”と“貯める”、SBI証券と楽天証券(夫)の口座を“増やす”の役割に整えました。お金の流れ別に、まずは4つに口座を分けることが大事です」

なみさんは、地銀に給与が振り込まれると、自動的にSBI銀行の口座に手数料ゼロでお金が移るように設定している。

SBI銀行の代表口座は、住宅ローン、クレジットカードの引き落としなどの“使う口座”として利用。さらに代表口座とは別に、目的別(最大10)に先取り貯金を振り分けている。

「家電、家の修繕、子どもの学費、不測の事態のための生活防衛などに分けて、合計月10万円ほど貯めています。“余ったら貯金する”では貯まらないので、半強制的な先取り貯金がおすすめです」

こうした目的別口座は、GMOあおぞらネット銀行や三井住友信託NEOBANK、みんなの銀行などでも扱っている。目的別口座は、目的がはっきりしているので貯まりやすい、毎月の積立貯金なので無理がない、使うときに罪悪感がないなど多くのメリットが。

「たとえば家電が壊れてしまったとき。以前はせっかく貯めた貯金から取り崩すのが嫌で、安いものに買い替えて結局すぐに壊れてしまうこともありました。しかし“このお金は家電購入に使える”という目的で貯めたお金なので、心置きなく、満足いく商品を買うことができます。車のお金も貯めておけば一括購入でき、金利を支払う必要もありません」

子育てが落ち着いた50代であれば、「医療費」「老後資金」「旅行資金」「親の介護費」などの項目で活用している人も多いという。

■月2千円積み立てでも、10カ月で9%の含み益!

“増やす”を担うのは、証券口座。「4年で1千万」を達成するのに欠かせないという。なみさんが利用するのは、ネット証券。S&P500など、人気のインデックスファンドを積み立てている。投資は無理をせず、余剰資金を使う。

「少額でも意味があるの? という問い合わせもいただきます。その疑問に答えるため、新たに毎月2千円ずつの積立投資をして結果を公表しているのですが、現在10カ月、2万円の投資に対して1千746円と、9%ほど利益が出ています。もし200万円の投資なら18万円もの利益が出ている計算です」

注意点としては、株価に一喜一憂しない、ろうばい売りをしない、信用取引をしないということ。

これだけの投資術で、6年間で1千200万円の投資に対し、850万円の含み益を出すことに成功している。

そして給料日に欠かさないのが、食費と日用品、変動費、夫婦や子どものお小遣いを夫の口座から現金で引き出すこと。

「8万円の食費は週に2万~3万円ずつ財布に入れておきます。日用品2万円、変動費6万円は専用ポーチに。こうして1カ月で使える予算を目に見える形で決めておけば、無駄遣い防止になります」

食費・日用品などをカードで払ったときは、必ずポーチから使った分の現金を取り出す。

「銀行の封筒などに、カードで使用した金額や日付を記録してお金を移動。カード引き落としの際に、口座に分けておいたお金を入れます。カードの引き落としでお金がなくなることを防げます」

夫婦の自由に使えるお金は、夫・月3万5千円、妻・月3万円のお小遣い制を導入している。

「さらにモチベーションを上げるため、夫婦ともに6月と12月に8万円、3月には5万円ずつのボーナスを導入。好きに使えるお金がしっかりあることで、過度な節約ストレスから解放されました」

以上のマネー術で、楽にお金が貯まるようになったという。なみさんに倣い、小さな一歩から資産1千万円を目指そう!

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