’12年1月に放送開始して以来、10年以上愛され続けている松重豊(62)主演の『孤独のグルメ』(テレビ東京系)シリーズ。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎(松重)が仕事の合間にふらりと立ち寄った飲食店で、ひとり食事を楽しむグルメドキュメンタリードラマだ。

今年1月には、テレビ東京開局60周年記念特別企画として初の劇場版も公開されたばかり。フランス、韓国、日本を舞台に“究極のスープ”を探す五郎の姿が描かれ、公開55日目で興行収入10億円を突破するなど大ヒットを収めた。

現在は地上波で過去のシリーズが再放送されているが、にわかにSNSで物議を醸していることが――。

’22年10月から12月にかけて放送された「Season10」の第6話が9月18日に再放送されたのだが、同番組から撮影依頼を受けた老舗温泉旅館が“過去の取材トラブル”を明かしたのだ。

岐阜・下呂市が舞台となった同放送回。五郎が電車を待つ間に見つけた大衆食堂で、看板メニューの豚料理や鶏料理などに舌鼓を打つ姿が描かれた。ドラマ終盤では温泉街のインサートが映し出され、五郎がタオルを頭にのせて湯に浸かるシーンで締めくくられている。

風情あふれる回だったが、下呂温泉の中心地にある老舗温泉旅館「小川屋」が21日にXのアカウントで、《この回実は当館も出演予定だった》と投稿。当時の制作サイドとのやりとりについて、こう明かしたのだった。

《「温泉入浴シーンを撮りたいので、そちらの大浴場お借りできませんか?」と制作会社より連絡があり、当日の日帰り入浴の営業時間を調整するなどして準備するも、約束の時間を過ぎても一向に来る気配無し。「あの~お待ちしてますが…。」とTELしたところ、「あ!…ごめんなさ~い、入浴シーンの撮影無しになったんですよ。ご連絡してなくてすみません。

もう下呂離れちゃったので。」とのご回答》

その上で、《開いた口が塞がらず、唖然としたのを思い出した》と振り返っていた(引用はすべて原文ママ)。

「『孤独のグルメ』の放送局はテレビ東京ですが、制作はフジサンケイグループの共同テレビジョンが担っています。制作サイドは旅館に対して“入浴シーンの撮影はなくなった”と説明したそうですが、実際には別の旅館での入浴シーンがオンエアされていました。もし旅館が告発した内容が事実であれば、制作サイドは“ドタキャン”しただけでなく“虚偽”の説明までしたことになります。同番組はロケが基本であり、取材を申し込んだ飲食店をはじめ各施設などの協力なしには成立しません。それだけに誠実な対応が求められることは、制作サイドも十分に理解していると思うのですが……」(テレビ局関係者)

3年前の出来事とはいえ、制作サイドから撮影を申し込み、一方的に来館の約束を反故にしたという“不義理”は瞬く間に注目を集めることに。旅館の投稿は現在までに1100万件以上のインプレッションを集め、番組に対して落胆する声が次のように上がっている(19時現在)。

《こういう事をスタッフが一人でもすると、表に出ている役者陣が迷惑すると思う。スタッフはこういう不義理をするの本当に止めて欲しいし、うっかりして予定変更しまったら、責任者がしっかりと謝罪をここの旅館に行ってするくらいでないと、作品全体を台無しにすると思う》
《ひどい。。。撮影のために営業時間や勤務調整、お客様への案内など多岐に渡って準備してるとこで、そんなこと言われたら萎えますね。

そして、もう2度とテレビ局からの依頼は受け付けたくなくなりますよね。。。》
《テレビ局もその関連会社も上から目線ですね…中止決まったら連絡と共に申し訳ありません…だと思うんだけど…非常識だわ~》

そこで本誌は22日、テレビ東京に事実関係を取材。3年前の出来事ではあるが、旅館が明かした制作サイドの対応は事実かどうか、旅館に対して何らかの対応をしたのか、問題視された取材姿勢に対する同局の見解などを聞いた。

すると同日19時すぎに広報・IR部の担当者から文書で回答があり、以下の説明があった。

《2022年秋に制作会社のスタッフが、「下呂温泉 小川屋」様にドラマの撮影協力を打診しました。その後、撮影場所は変更となりましたが、スタッフがその連絡を失念していました。本日、SNS上でのご指摘を受け、当社のプロデューサーから小川屋様に連絡させていただき、深くお詫びを申し上げました。今後、このようなことのないよう、制作現場の管理体制の強化を徹底してまいります》

編集部おすすめ