高値スタートした今年の新米。しかし、おいしくても高値すぎては手を出しにくい。
そこで、数ある銘柄米のなかから買いやすい価格、味、食感などにすぐれた、価格と品質のバランスがいい“コスパ最強米”を、お米の博士号ともいわれる、五ツ星お米マイスターProf.の資格を持つ牧野基明さんに選んでもらった。
「この夏のような暑さでも品質が保てる、高温耐性のあるお米が各県から出されています。風土に合う、厳しい基準をクリアしたお米の品質はたしかです」(牧野さん)
今回は各県が推しているお米を中心に、コスパにすぐれた銘柄米を牧野さんに選んでもらった。お米の味や香り、食感は千差万別なので、自分好みのお米を探してみよう!
■和食に合う上品な味わい 京都府産「京式部」
「料亭で出される料理と合うようにと、令和3年に本格デビューした新品種。京都らしい上品な味わいと香りのよさが特徴で、和食によく合います。老舗の料亭も認めていて、お店でも出されている味わいを、自宅で気軽に楽しめるお米です」
■今年の酷暑も平気な大粒米 千葉県産「粒すけ」
「8月下旬には出回り、いち早く新米が楽しめます。新潟県のコシヒカリを母に持ち、千葉県独自品種ふさおとめをベースに作られた新品種で暑さにも強く、量がきちんととれ、品質も安定しています。大粒で甘味がしっかり感じられます」(牧野さん、以下同)
■米どころが生んだ令和のニューフェース 新潟県産「新之助」
「米どころの新潟県で作られた新品種なので品質は折紙付き。しっかりとした粒感と粘りがあり、かむほどに甘味とコクが口の中に広がります。若い人をはじめとして、最近の日本人の好みに合うお米ですね」
■炊飯器で炊くと甘味が増す 青森県産「青天の霹靂」
「土鍋ではなく炊飯器で炊くと、より甘味が増します。口の中に入れるとすぐに感じられる甘味のインパクトが強く、その後甘味は消えていくので後味はさっぱりとしています。
■粘りとやわらかさのバランスが絶妙 山形県産「つや姫」
「食感がしっかりとしていて、粘りとやわらかさのバランスにすぐれています。しっかりとした粒感を最後まで楽しめるので、お米を食べた満足感が高く感じられるお米。炊き上がりの白さやつやも美しいです」
■受賞多数! 味の濃さが抜群 長崎県産「にこまる」
「長崎県が先駆けて奨励品種にした銘柄米。さまざまなお米のコンテストでも受賞している品種です。丸くて大きな粒が特徴で肥料をきちんと稲が吸ってくれるために、味の濃いお米に仕上がっています」
■冷めてもおいしさ続く 佐賀県産「さがびより」
「炊き上がりはもちろん、冷めて時間がたっても食味が変わらずおいしく食べられる特徴があります。食感はもっちりとしていて食べごたえがあり、甘味と香りもほどよく、食べやすいお米です」
■もち米のような粘りとやわらかさ 北海道産「ゆめぴりか」
「もち米に近いような粘りがあり、甘味がしっかりとした低アミロース米。食感がやわらかめなので高齢の方も食べやすいお米だと思います。時間がたってもかたくなりにくい特徴もあります」
■思わず笑顔になる新しい味わい 福島県産「福、笑い」
「炊き上がりはふんわりとやわらかく、香りがよく立ちます。これまでにない個性的な食感と食味が持ち味で、強い甘味も楽しめます。名前のとおり、多くの人を笑顔にできるようなお米です」
■おにぎりやお弁当に最適! 石川県産 「ひゃくまん穀」
「炊きたてはもちろん、冷めてから食べてみてもすごくおいしくて驚いたお米。かむほどに甘味が増します。お米は冷めるとかたくなり口の中に雑味が残ることがありますが、このお米は時間がたってもかたさや粘りが変化しにくく、雑味が残りません」