「このお約束ぶりが嫌だね。裏金議員なんて、まだまだ不適材不適所でしょう? いったい何事だと思いませんか? こういうのね、聞き逃しちゃいけないんじゃないかと思うんだよね」

9月23日に更新した自身のYouTubeチャンネルで、こう投げかけたのはフリーアナウンサーの古舘伊知郎(70)。

10月4日に投開票を控える自民党総裁選をテーマに、舌鋒鋭く持論を展開した。

石破茂首相(68)の退陣表明を受けて、今回の総裁選に立候補したのは小泉進次郎農相(44)、小林鷹之元経済安全保障相(50)、高市早苗前経済安全保障相(64)、林芳正官房長官(64)、茂木敏充前幹事長(69)の5名。衆参両院で少数与党に転落した自民党を立て直すべく、「解党的出直し」を掲げて各人が自身の考えや政策をアピールしている。

そんななか、23日に自民党が開いた共同記者会見では、出席した記者から派閥の裏金事件に関与した議員を要職に起用するかどうかの質問が寄せられていた。

「5名とも表現に差はありましたが、裏金事件に関与した議員の要職起用は否定しませんでした。党の処分を受けていることや選挙で有権者からのジャッジを受けていることを挙げ、どの候補者も党内融和を強調。小林氏、林氏、高市氏は『適材適所』を主張し、小泉氏は慎重姿勢を見せつつも『適切に判断していく』と説明していました。なお、裏金事件の実態解明や再発防止に取り組む姿勢を見せた候補者はゼロです」(全国紙記者)

動画でこの件を取り上げた古館は、「5人全員が表現は違えども、多くの候補者が適材適所という風に横一線で答えてるんですよ」と問題提起。その上で、冒頭のように苦言を呈したのだった。

そんな古館の怒りの矛先は、小泉氏に向けられることに――。

共同記者会見では慎重姿勢を見せていた小泉氏だが、21日に視察した千葉県船橋市では裏金事件に関与した議員を擁護するような発言をしていた。

小泉氏は記者団の取材に対して、「一度間違いをしてしまったことで、一生活躍の機会がないのは本当にいいのか」と発言。

「誰も取り残さない自民の一致結束した姿を見せ、日本の課題を前に進める。どのような形が理解を得られるのか私なりに考えていきたい」と、含みを持たせていた。

古館は小泉氏の発言を振り返りながら、「なに言ってんだ!驚いたね」とバッサリ。「一定の禊をして、あるタイミングで復帰するっていうこと。敗者復活。なんの文句もないけど。その考え方の道筋に」と前置きし、「だけど、私が常軌を逸していると思うのは、解党的な出直しと言っておきながら、政治資金のルートを全く変えないで、まず先に(裏金事件に関与した議員を)復帰させるとは何事だと思わない?」と憤ったのだ。

自民党では企業・団体献金の規制を扱う議論は進んでおらず、古館は「政治資金のいままでのルールを壊して、次に段階的に復帰するならよくわかるけども、順序を違えてまず復帰させるみたいなこと言ってるわけ」とピシャリ。

さらに、共同通信社のジャーナリストによる“小泉氏の当選が前提で進んでいる”との見解を紹介した上で、「総裁になる見込みのない人が、なんで何人も何人も(中略)出てくるんだろうと素朴に思う人もいると思うけど、なんで出てくるかわかりますよね?」と投げかけた。

古館はその“答え”として、「盛り上げに盛り上げて、身内の祭りを演出して、祭囃子を盛り上げて、ピーヒャラピーヒャラやってね。トップに神輿が出て、そのあとに山車を引っ張って。そして十分応援した実績を持って、いいポストを旧派閥の名残のなかで貰おうと。

仲間内で」と皮肉たっぷりに説明。その上で「これ、なにも変わってない。なにが解党的出直し?」と批判し、「つまんない」と言い放っていた。

動画のコメント欄では、《おっしゃる通り》《古舘さんの言う通りです》《解党的と言うならば、まずは裏金の説明を期限内にしなかった議員は 全員除名するのが正論です》と古館の意見を支持する声が。果たして、“ポスト石破”の座に就くのは誰か――。

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