’21年に初めて単独主演舞台を踏んでから、演劇シーンで存在感を増し続けているAぇ! groupの正門良規(28)。今回、恋愛喜劇の名作『十二夜』で、念願のシェイクスピア作品に初挑戦する。
「演劇をやるからには、やっぱり一度は触れておきたいですよね。とくにみっちー(道枝駿佑)の『Romeo and Juliet-ロミオとジュリエット-』を観劇したときは、いつか自分も詩的で美しいセリフを言ってみたいなと思いました。昨年前衛的な作品をやり遂げて、次は古典に挑戦したいというタイミングだったので、お話をいただけてすごくうれしかったです。しかも演出が信頼している森(新太郎)さんで、本当に贅沢な経験をさせていただいています」
本作で正門が演じるのは主人公のヴァイオラ。なんとうら若い女性の役だが、一体どのように役作りをしているのか。
「今はあえてしぐさや声色を作ったりはしてないです。女のコっぽく見せることは、そこまで重要じゃない気がしていて。女性らしさは自然とにじみ出るやろうし、僕が演じることで、切なくて劇的なセリフも重くなりすぎずに、笑ってもらえるんじゃないかと思います。可愛くて天真爛漫なヴァイオラを演じるのはすごく楽しいです」
とはいえ、やはり男性が女性の恋心を表現するのは一筋縄ではいかないのでは?
「男だからこそ『これが女心か』って、すんなりのみ込めるような気がします。もちろん、性別を超えて共感できる部分もあります。ただ、400年以上前の作品だから恋愛観も古いんですよ(笑)。偏見を感じるセリフもありますし。
そんな正門はアイドル活動のかたわら、ドラマやバラエティだけでなく、舞台への出演もコンスタントに続けている。多忙なはずだが「好きなことばっかりやらせてもらってます」と笑顔で語る。
「事務所に入りたてのころはちょっと無理してた部分もありました。もともと人見知りで人前に出るのは苦手やったし。自分は中学3年生なのに周りは小学生ばっかりやから、頑張ってはしゃがなあかんくて(笑)。でもAぇ! groupを結成してから、いつも自然体でいられるようになりました。今はどんな仕事も自分らしく楽しませてもらってます」
【INFORMATION】
『十二夜』(東京公演・東京グローブ座にて10月17日~11月7日、大阪公演・森ノ宮ピロティホールにて11月15~21日)。船の遭難で双子の兄と生き別れたヴァイオラ(正門良規)は、男装姿で公爵オーシーノ(長井短)に仕えるうちに恋心を抱くように。一方オーシーノは伯爵令嬢オリヴィア(大鶴佐助)に夢中だが、オリヴィアは男装姿のヴァイオラに一目ぼれしてしまう。