26日に放送された最終回の平均世帯視聴率が18.1%という番組最高視聴率を記録したNHK連続テレビ小説『あんぱん』。主演の今田美桜(28)、やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩役を演じた北村匠海(27)といった物語の中心人物となる俳優たちの好演もさることながら、陰の立役者としてドラマを支えた“名脇役”も多くいた。
そこで本誌は、WEBアンケートツール「Freeasy」にて、20~70歳の「朝ドラ好き」という男女500人を対象に、「『あんぱん』で主役ではないけれど作品を支え、目立っていた俳優(前述の今田、北村は除外)」についてのアンケート調査を実施した。
第3位にランクインしたのは松嶋菜々子(51)。
‘11年に主演を務めたドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)では平均世帯視聴率40%というメガヒットを記録した松嶋。そんな松嶋が今回演じた、嵩の実母である登美子は、子どもたちを捨て4度結婚し、そうかと思えばときには過干渉なまでに嵩に接近するなど、物語の序盤から強い存在感を示したアクの強い役柄だ。
アンケートでは
《憎まれ役だが、誰よりも子のことを思う母親。演技の凄さが際立っていた。》
《演技に深みがある》
《登美子さんは一見毒親なんだが、細かく見ると子ども思いの面もあり、松嶋菜々子さんが見事にその細やかな登美子さんの感情を演じきっていたと思う》
など、クールで勝気、自由奔放なキャラクターでありながら、時折子どもを思う母親としての一面も見せる難しい役柄を見事に演じた表現力を評価する声が多くあがった。
第2位は河合優実(24)。
河合が演じた朝田家の次女・蘭子は今田演じる長女・のぶと、末っ子・メイコに挟まれたしっかり者という役柄だ。朝ドラ初出演となった本作では、眼の動きひとつで感情を表現する高い演技力が評判を呼んだ。
アンケートでは
《長女と違い、静かだけれど芯のある感じの役で色々と内に秘める思いを演じる感じが上手で、感情移入してしまうことが多かったから》
《セリフがなくても表情だけで演技ができる存在感抜群の俳優。演出家に対しても自分の意見を積極的に伝えるなど、役づくりへの情熱も並々ならないものがある》
《少し影がありながら凛とした雰囲気もあり 独特な存在感があった 素敵な女優さんだと思います》
など、少ない動きで視聴者に感情を伝える演技が絶賛されていた。
そして栄えある第1位に選ばれたのは阿部サダヲ(55)だ。
‘03年に放送された『こころ』以来、久しぶりの朝ドラ出演となった阿部が今回演じたのは、風来坊なパン職人・谷村草吉(ヤムおんちゃん)だ。1日の放送回で久々に再登場した際、ネット上では《生きてた!良かったー》《元気そうで安心した》などと、歓喜の声が多く寄せられた。
また、25日に放送された最終回直前の回では、嵩の幼少期を演じた木村優来(9)が少年役で再登場。谷村に向かって、「ジャムおじさんですか?」と視聴者の誰もが気になっていた疑問をぶつけると、谷村は「違う。“やむら”、だ」と回答してその場を去っていった。この視聴者の声を代弁したかのような“粋”な掛け合いは大きな話題を呼んだ。
アンケートでは
《過去に色々な事があった中、パン作りを通して沢山の人を笑顔にして行く様子が良かった》
《このひとが出るシーンは面白いのにしみじみして、一気に引き込まれる》
《とぼけた感じの話し方が好きでした。 突き放すような言い方をするけど、温かさもにじみ出ていてよかったです》
など、コミカルな演技でありながらも、シリアスな感情を想起させる演技力と人柄が視聴者の印象に強く残ったようだ。