横浜市にある商業施設に、黒いスーツに身を包んだ男性が。真剣な表情で相棒・寺脇康文(63)と話し込んでいたのは水谷豊(73)だ。
同日に、愛娘・趣里(35)が自身のインスタグラムで第1子出産を公表。水谷も所属事務所を通じてコメントを発表していた。
《趣里、凌輝おめでとう!これで去年から始まった我々の食事会が、1人増えてますます賑やかになるね。2人に感謝!これまで通り、自分たちを信じて2人で前向きな人生を歩んで欲しい》
ニュースを見た知人からメッセージが届いたのだろうか、水谷は『相棒』の撮影の合間にスマホを確認。ポケットにスマホをしまうと、なぜか仏頂面だったーー。
この“前向き”は、水谷家で大切にされている考えのようだ。’24年2月に配信された「婦人公論.jp」のインタビューで、伊藤蘭(70)は、《私は運がいいほう》といい、さらにこう述べていた。
《どんなに大変なことが起こっても、「これは、この先の人生がもっと良くなるための出来事だから」と考えているからかもしれません。そして、「絶対にいい結果になるに違いない」と信じてもいます》
’89年に結婚して以降、ともに人生を歩んできた水谷と伊藤。2人の考えは一致している。
水谷は’23年に出版した『水谷豊 自伝』でもこう綴っていた。
《自分は崖っぷちに立つと強い。普通はここで終わっているというときに、あれ?ということが起きる。何かの助け船が出る。だから、何があっても、いい方向へ行く、いい方向にしか行かないという思いがあるんです》
楽天的な水谷夫妻が娘に対して、“前向きな人生を”とエールを送ったのには、切なる思いが込められていると、水谷家の知人は言う。
「趣里さんは水谷夫妻と違って、プレッシャーを感じやすく、自身を心配性と称しています。そんな彼女を思いやってのことでしょう。
その一方で、結婚・出産という人生の晴れ舞台で“前向きな人生を”とコメントしたのには、大きな不安の裏返しなのでは……とも思います。これまでの人生でさまざまな経験をしてきた水谷夫妻であっても、子供の結婚と孫の誕生に関しては、初めてですから……」
初孫が生まれるまでに水谷は、度重なる逆境を乗り越えてきた。
「水谷さんは子役として活躍。高校卒業後にアメリカの大学に進学し留学するつもりでしたが、父親の会社が倒産し、計画が頓挫しました。国内の大学を受験するも不合格で浪人生活を送ることになり、結局大学には進学せずに芸能活動を再開することになりました。
’82年にはドラマ共演がきっかけでアメリカ人女優のミッキー・マッケンジーさん(66)と結婚。
しかし半年もたたないうちに、ミッキーさんがアメリカに帰国してしまいました。仕事をセーブしてできるだけアメリカに赴くも、次第に2人の間ですれ違いが生じるようになり、ミッキーさんから離婚を切り出され、’86年に成立したそうです。そのショックから、1年半の間、仕事をほとんどしなかったといいます。
’88年には膀胱がんが発見され、闘病も経験。芝居に集中できる環境になく、水谷さん自身は30代のときは『全然仕事がなかった』と語っていましたね」(芸能関係者)
■73歳で初孫誕生も胸中が複雑な理由
困難を克服してきた水谷。杉下右京という当たり役にも恵まれ、70代になった今、幸せの絶頂かと思いきや、胸中は複雑なようだ。
「もともと水谷さんは、娘を守ってくれるような人がパートナーになってほしいと話していました。
しかし、趣里さんの夫の三山凌輝さん(26)は、過去に女性YouTuberに対しての結婚詐欺疑惑が報じられています。このことを水谷さんが報道で知り、非常に動揺したそうです。
三山さんからは“自身にも落ち度があったものの、結婚詐欺ではない”と説明を受けたといいます。
そのため水谷さんは趣里さんに『また浮気などの女性トラブルが起きたとしても、絶対に助けないからね』と伝えたと聞いています」(前出・水谷家の知人)
結婚が決まった後も三山に対する不信感は変わらなかったようだ。
「9月に三山さんがインスタグラムを更新した際に、《新しい家族》と綴り、子犬を抱える写真を投稿し、《今じゃない》などの批判が殺到したことがありました。
この少し前に水谷さんは“家族を第一に”とアドバイスしていて、三山さんがとったまさかの行動に、言葉が通じないのかとも感じたのだとか」(前出・水谷家の知人)
本来なら、初孫の誕生は至福の瞬間になるはずだったがーー。前出の水谷家の知人は続ける。
「趣里さんとお孫さんの今後を考えると、不安は拭えないそうです。自ら人生を好転させてきた水谷さんですが、趣里さんの人生そのものを変えることはできませんから。
表では趣里さんのために明るく振る舞っていても、ロケの合間などふとした瞬間には、どうしても娘の将来を心配して表情が曇ってしまうのではないでしょうか。
また10月3日に趣里さんは自身のインスタグラムで、もともと三山さんがメンバーの一人であるBE:FIRSTのファンクラブに入っていたと一部で報じられたことをかたくなに否定していました。
愛娘が育児に追われるなかで、ストレスが絶えない状況を父そして祖父として、“人生の谷”と感じてしまっているようなんです」
水谷は前出の自伝で、自分の人生と、趣里の人生への考え方の違いをこう述べていた。
《自分のこととなると、あのときなんでやらなかったんだ、とかこうすれば良かったとか、そういう後悔がない人生を送ろうと思っているのに、子供のこととなると、リスクを負わせたくないという思いが勝るんですね》
初孫誕生で水谷が痛感しているという人生最大の“谷”。義理の息子・三山と連携し、人生最大の“山”に変えられることを願うばかりだ。